※本稿は、池田智昭『ゆで太郎の儲かる仕組み 22年連続黒字を支えるがっちり経営術』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
セントラルキッチンは効率がいい?
「ゆで太郎は、店内で製麺し、天ぷらも揚げていますが、もっと効率化した方がいいのではありませんか」
外食産業の方から、そんな質問を受けることがあります。そのたびに私はこう答えます。「そもそも、効率化の定義が違うんです」と。
多くのチェーン店では、セントラルキッチンや工場で一括製造し、各店舗へ配送しています。大量に作ることができ、品質も均一になります。店舗では温めたり盛り付けたりするだけなので、人件費も抑えられます。ファミリーレストランの厨房では、ほとんど調理をしない店も少なくありません。
そう考えたら、確かに効率がいいのかもしれません。しかし、出来上がった料理を各店舗に運ぶ輸送コスト、鮮度管理などを含めて考えると、そこまで効率がいいものでもないと私たちは考えています。
一方で、店内で製麺し、その場で茹で、天ぷらを揚げる。手間はかかります。でも、お客様に提供する品質は確実に上がります。
店内製麺のほうがメリットだらけ
私たちはチェーン店ですが、飲食店として勝負をしている以上、美味しいものを提供したいという矜持は常に持っています。出来合いを温めただけのものと、店内で製麺して揚げたての天ぷらをのせたもののどちらが美味しいかは言うまでもないでしょう。
品質という視点で見れば、私たちのやり方の方が、むしろ効率的なのです。しかも、麺は店で作ると原価は一括製造のおよそ半分になります。
品質は上がる。原価は下がる。それが自社製麺の強みです。
うちの製麺機はそば用ですが、今はラーメン屋さんがたくさん使っているそうです。製麺機メーカーの一番のお得意先がラーメン屋さんになっているくらいで、昔は有名製麺所から仕入れることを売りにしたラーメン屋さんが多かったと記憶していますが、今は自店で製麺していることが売りになる時代です。
オリジナルのスープと麺で個性を出し、それを求めてお客さんが集まります。つまり、買うより自分で作る方がずっと安く、宣伝になる。それはとても効率がいいことなんです。

