「保険で資産運用」は得ではない
資産運用保険は、投資信託に直接投資をすれば得られるリターンが保険会社を通すことにより余分な経費が掛かるので、投資という観点から見れば決してよくないことになる。
保険で運用することによりかかるコストは、図表1の通りである。これは、A社の保険:定額部分(保険会社の一般勘定で運用する部分)と変額部分(保険会社の特別勘定で運用する部分)がそれぞれ半々のハイブリッド保険を例にとったものである。
保険関連コストの総額は、次に示す通り投資額に対して年1.55%となる。
(2.9+0.2)%×0.5=1.55%/年
年利回りのうち保険会社に1.55%がとられるので、契約者が受け取る利回りはそれだけ低くなる。
年1.55%と聞いて、たいしたことないなと思った人もいるかもしれない。しかし、保険料の運用は20年から30年の長期で行われる。
保険のコストも複利で増加
仮に、年5%の保険商品の利回りが年1.55%低下すると、20年間の運用成果(元本+運用益)が25%超目減りする。
例えば、1000万円を一時金で支払い、年5%の利回りで20年間運用すると「元本プラス運用益」は2653万円(100%)になる。ところが年1.55%利回りが低下すると1970万円(74.28%)になってしまうのだ。実額にするとなんと683万円(25%超)も目減りすることになる。
えっと驚かれたかもしれない。
なぜ、年率1.55%のコストが20年で683万円にもなるか?
数式で説明すると、次のようになる。
保険コストありなしの差=1-((1+(0.05-0.0155))/(1+0.05))^20=0.2572=25.72%
年率1.55%のコスト差が20年の複利計算で25.72%にもなるのだ。
これが、複利計算の恐ろしさだ。
そして、683万円の利益は契約者のものにならず、保険会社のものになるのだ。
それに加えて、保険金を受け取る際、受取条件を一時払いから年金払いに変更すると保険会社に手数料として受取金額の0.23%を支払わなければならない。年に100万円なら2300円となる。銀行の普通預金の利息とほぼ同額である。
断っておくが、この保険の保険関連コストが特別高いわけではない。これが一般的なレベルなのである。

