会社組織では、個人を学歴や職務経歴、肩書など「ラベル」で判断する傾向が強い。人材マネジメントに詳しいグローネクサス代表の小出翔さんは「世界的なHRの潮流としては、個人をスキルで評価する方向に大きく変化している。日本でも先進的な企業はそうした方向に舵を切った。企業も個人も意識変革が必要だ」という――。(第4回/全5回)

※本稿は、小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

新しい「組織OS」が個人の成長をもたらす

「採用難」「離職率上昇」「組織の硬直化」……従来の組織マネジメント手法は時代にそぐわなくなりつつあり、新しい人材マネジメントが求められるようになっています。

そんな中、アメリカHR発で、人事・人材マネジメントの分野で起きている新しい潮流、それが「スキルベース組織(Skills-based Organization)」です。

この新しいアプローチは、【企業の成長】と【個人の成長】という2つの側面で、「4つのインパクト」を人材マネジメントにもたらしますが、そのうち前回記事(「上司の勘で行う"適材適所"より効果的…AIマッチング技術による"配置"が成果をあげるワケ」)では「企業の成長」の側面から2つのインパクトについて見ていきました。

本稿では、この新しい「組織OS」を導入することで、個人に起こる2つのインパクトについて解説していきます。

忙しいオフィスを行き交う人々
写真=iStock.com/VioletaStoimenova
※写真はイメージです

組織では「個人の能力」は見えなくなる

あなたの会社では、社員一人ひとりが「自分は何が得意で、どんなスキルを持っているのか」について、明確に言語化できているでしょうか? そして、経営層や人事は、そのスキルを正確に把握できているでしょうか?

残念ながら、多くの組織では、個人の能力が驚くほど「見えていない」のが現実です。

その大きな要因は、私たちが無意識のうちにとらわれている「バイアス(偏見や思い込み)」にあります。

「彼は○○大学出身だから優秀なはずだ」
「彼女はまだ入社3年目だから、この仕事は任せられないだろう」
「あの人は営業一筋だから、企画の仕事は向いていない」
「ベテランの○○さんは、今さら新しいデジタルツールは使えないだろう」

私たちは、学歴、年齢、過去の職務経歴といった「ラベル」で人を判断しがちです。もちろん経験は重要ですが、そのラベルが、その人の「今、持っているスキル」や「将来の可能性」を正確に反映しているとは限りません。

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