従来型評価制度の限界と「納得感」の欠如

人事制度に関する不満の中で、最も根深いのが「評価と処遇」に関する問題です。評価への納得感は、社員のモチベーションやエンゲージメントに直結する、きわめて重要な要素です。

不公平感や不透明感は、組織への信頼を損ない、優秀な人材の離職を引き起こす最大の要因の一つとなります。

スキルベース組織は、「スキル」という透明性の高い基準を導入することで、この長年の課題を解決し、公正で納得感のある評価・処遇を実現します。

なぜ、従来の評価制度では納得感が得られにくいのでしょうか。実際、スマートキャンプの調査(2025年)によれば、「従業員54%が人事評価制度に不満」という結果が明らかとなっており、多くの人が評価の基準やプロセスに何らかの不満を抱えていることが示唆されています(*)

*BOXIL「人事評価制度と人事評価システムに関する満足度調査

メンバーシップ型の課題:基準の曖昧さと属人化

メンバーシップ型では、「協調性」や「積極性」といった「情意評価(態度や意欲に対する評価)」が重視される傾向があります。しかし、その基準は曖昧で、評価者である上司の主観や相性に左右されやすく、評価が属人化してしまうリスクがあります。

フィードバックも抽象的になりがちで、具体的に何をどう改善すればよいのかが見えにくいという問題があります。

ジョブ型の課題:短期的な成果主義と硬直性

一方、ジョブ型では、職務記述書に基づき、その達成度で評価が決まります。基準は明確ですが、過度な「成果主義」に陥りやすい点が課題です。

ジョブ型=成果主義ではありませんが、職務を毎年見直すという性質上、成果目標はどうしても短期的になりやすいという特徴があります。短期的な目標達成ばかりが重視されると、中長期的な成長(新しい知識の学習など)や、チームメンバーを助けるといった行動が評価されにくくなります。

また、期初に設定した目標が期中に意味をなさなくなることもありますが、硬直的な制度ではそれに対応できず、不合理な評価となることがあります。