SNS上では、事件と無関係な人々が直接の当事者ではない相手までつるし上げ、収拾がつかない状態になることがよくある。精神科医の和田秀樹さんは「正義感はやっかいで、人間は誰かを糾弾・攻撃することでドーパミンが放出され、快楽を覚えるため、SNS炎上は止められなくなる」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、和田秀樹『感情にふりまわされない心の整理術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

SNSは感情関係すら破綻した世界

感情は、往々にして他者によってかき乱されてしまいます。周囲にいる「困った人」が、常にあなたの感情にさざ波を立ててくるのです。

「困った人」は、リアル社会だけとは限りません。現代社会においては、ネット上で発せられるあらゆるコメントが、あなたを感情的にさせます。

SNSをはじめとしたインターネット上でのやりとりが急激に発達したために、いまや人間関係は、リアルよりネット上でのつき合いのほうが多くなっている状況ではないでしょうか。

私は「人間関係は感情関係」だと常々いってきましたが、感情関係さえも成立しない、それどころか、相手が感情を持った人間であることさえ認識できないような殺伐としたやりとりが広がるネット社会を現代人は生きている。

その結果として、あなたの感情は、ネット上での人間関係で大きく揺さぶられることが増えているはずです。

鋭い目つきでモニタをのぞき込んでいる男性
写真=iStock.com/Xesai
※写真はイメージです

ネット上の「困った人」には2種類いる

あなたを悩ますネット上の「困った人」は、2通りに分けられると思います。

一方は、これまでのネット上での交流を踏まえたうえで、友人・知人だと認識している人たち。もう一方は、何の縁もなかった不特定多数の人が、何かであなたの発言を知り、反対意見を叩きつけてくる。つまり、それまであなたとはまったく関わりがなかったのに、ある発言や投稿を機に、突然激しく攻撃を仕掛けてくる人たちです。

あなたの投稿に対して、真っ向から批判をしてくる人がいる。あなたの考えを激しくけなしてくる人がいる。あまつさえ、人格否定までしてくる。それで感情を揺さぶられてしまっている人が多いのです。

痛ましいことですが、なかにはSNSが大炎上し、不特定多数からの誹謗中傷ひぼうちゅうしょうを受けて追いつめられ、自ら命を絶ってしまう人もいる。それが、私たちが生きている「いま」という時代の現実です。

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