疲れたときスマホ片手にソファーでダラッとしていないだろうか。筑波大学で脳疲労を研究する松井崇准教授は「それは脳疲労の回復のためには絶対にやってはいけないことだ。たった7秒でできる疲労回復法がある」という――。
オフィスで休憩中にストレッチをするビジネスウーマン
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「ただ休む」よりもっと効果的

疲れたらソファーでダラッとしたり、スマホでSNSやYouTubeを見たり……したいですよね? でも、それらの行動は脳疲労に対する休憩では絶対にやってはいけない選択。

なぜなら、脳疲労の回復には「ただ休む」よりも「体を動かす」ことが有効だからです。たとえば先ほど、私は6階の研究室から5階の会議室前まで、内階段を「タタタタタッ」と早足で下りてきました。実はこれも脳疲労対策の1つ。

集中力が落ちてきたかもしれない……と感じたとき、私は階段を1~2階分テキパキ上り下りするようにしています。そのような短い運動でも、その後に認知機能を高める可能性がわかってきています。頭を使う仕事の効率を上げうるということです。

スーツで走る男
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そんなふうに体を動かすことが脳の活動を高めることは広く知られるようになってきましたが、専門家からのアドバイスは「1日30〜60分、週3〜5回」の運動というのが一般的。

でも、みんな忙しいですから、そんな高いハードルを設定されたら、実践できる人は少ないですよね。そこで、脳疲労の研究の一環として脳の認知機能を高める最短の運動時間と方法を探りました。

その結果、たどり着いたのは「7秒」の全力運動を3セット行うという方法です。

世界最短の脳疲労回復法「7秒腿上げ」

東大卒プロゲーマーの、ときど選手が試合前にダッシュしているのを知り、実験のヒントをもらいました。その後、筑波大学のeスポーツチーム選手たちに協力してもらい、試合の直前に全力で7秒間の腿上げ運動を3セット実施。

すると、この7秒3セットという超短時間運動が、その2~15分後の認知機能を高めることがわかりました。(※)1

今のところ脳機能を向上させる運動としては、世界最短の条件です。

7秒×3セット、21秒の運動は、全力ダッシュでも、腿上げでもいい。仕事中、脳疲労の影響が出ているかもしれないと思ったら、ぜひ試してみてください。短時間で息が上がる高負荷をかけることが、脳をブーストしてくれます。

恥ずかしさがある場合には、オフィスの片隅やトイレ、無人の会議室などでもいいですし、階段をテキパキ上り下りすることでもいいです。仕事の効率を上げたいという気持ちで体を動かすこと。その成果を実感することで、またやろうという意欲や楽しさを感じられるはずです。