日本の財政不安が広がっている。その根本原因が増大を続ける社会保障給付にあることは論を俟たない。作家の橘玲さんは「年収600万円のサラリーマンなら、手取りの8割を消費に回したとして、概算で消費税負担は約38万円。社会保険料は労使合計で180万円におよぶ。どちらが家計を圧迫しているかは言わずもがなだろう」という――。

※本稿は、橘玲『新・貧乏はお金持ち』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

誰かが「年金の赤字」を埋めないと制度が破綻する…

税金と並んで家計に大きな影響を与えるのが年金と健康・介護保険の社会保険料だ。

サラリーマンの場合、いまでは税負担よりも社会保険料の負担がずっと重くなってしまった。これまで厚生年金や組合健保に加入できることがサラリーマンの大きなメリットだと考えられてきたが、この「神話」はすでに崩壊している。

自営業者などが加入する国民年金は高齢化によって財政が悪化し、収支は大幅な赤字に落ち込んでいる。

誰かがこの赤字を埋めなくては制度そのものが破綻してしまう。

電卓で計算する女性
写真=iStock.com/CentralITAlliance
※写真はイメージです

サラリーマンは簒奪され続ける運命

じつをいうと、国民年金と厚生年金は基礎年金(いわゆる一階部分)でつながっていて、国民年金の赤字が厚生年金から補填されるようになっている。

健康保険も基本的には同じ仕組みで、高齢者の医療費が急増することで高齢者医療制度は巨額の損失に陥っている。この赤字を、サラリーマンが加入する組合健保や協会けんぽが負担しているのだ。

このことがよくわかるのは、社会保険料率がどんどん上がっていることだ。

今回新版を著わした『新・貧乏はお金持ち』の親本が刊行された2009年当時、厚生年金の保険料率は15.704%だったが、それが2025年には18.3%になっている。

同じく協会けんぽの保険料率は、東京都の場合、40歳以上が支払う介護保険料込みで、9.39%から11.6%に上がった(同時に、保険料を支払う収入の上限も引き上げられてきた)。

▼書籍のインスタ始めました 
@president_publishing
セブン-イレブン限定書籍や書店向け書籍などの自社出版物、書店やイベント等の最新情報を随時更新しています。