マツダのプレミアムブランド戦略とロードスター
マツダはフォード傘下から独立したあとブランド経営に乗りだし、通常のマスブランドよりプレミアム性のあるブランドとしていく方向を目指している。
これはマツダの規模のブランドがトヨタのような巨大なマスブランドや価格競争力のある中国ブランドに対して生き残っていくための唯一の方向性ともいえる。そのためにはデザインやメカニズムなどで独自性のある車作りが必要不可欠だが、魂動デザインなどでその成果をあげつつある。
そのマツダを象徴するモデルがマツダ・ロードスターである。
現行のND型は2015年5月に発売され、ワールドカーオブザイヤー、ワールドカーデザインオブザイヤーなどを受賞し、世界的な人気車種になっている。
すでに発売から10年以上経過しているが、販売台数は一向に衰えず、2025年も日本では上半期で前年比28.9%増、アメリカでも1~7月で31.7%増と大きく伸ばしている。
このND型ロードスターに、さらに新しい物語を生むモデルがこのたび追加された。それが「マツダスピリットレーシングロードスター」である。
マツダスピリットレーシングロードスターという挑戦
マツダスピリットレーシングロードスターは、ロードスターをベースとしながら、マツダスピリットレーシングのレース活動で培われたノウハウの注ぎ込んだ高性能スペシャルモデルである。
通常のソフトトップモデルのエンジンは1500cc、136馬力だが、マツダスピリットレーシングロードスターは2000ccエンジンを搭載し、200馬力ないし184馬力と大幅にパワーアップされている。
足回りには世界の一流メーカーのパーツを採用し、特別なものとなっている。またインテリアもフェラーリやポルシェにも使われているイタリアのアルカンターラ(人造スエード)を多用した質感の高い仕上げとなっている。つまり高性能というだけでなく、プレミアム性の高い仕上がりとなっているのだ。


