プレミアム性の高いサブブランドへの道
これは視点を変えて考えると、マツダは今まで以上の高価格で売ることのできる、よりプレミアム性の高いサブブランドを作ることに成功したともいえるだろう。
すでにマツダスピリットレーシングを冠したロードスターの第2弾も検討されているようだ。ロードスター以外の車種でも、マツダ3をベースとしたプロトタイプがすでに発表されている。
マツダスピリットレーシングの代表である前田育男氏は「将来的にはBMWのMブランドのようなものに育てていきたい」とコメントしている。
乗り味もサーキットでのラップタイムだけでなく日常走行時の快適性にも十分配慮したという。つまり、単なる高性能ブランドに留まらずステータス性も併せ持ったプレミアムブランドとしていくことが念頭にあるのだ。これはマツダ全体が目指す方向とも一致し、マツダを象徴するサブブランドとなる可能性も高い。
今後の動向は要注目だ
もちろん、商品に魅力がなければブランド化は達成できないので、マツダスピリットレーシングが真のブランドとなるためには魅力的なモデルを続けていく必要がある。そのためには綿密な商品計画が必要で、様々な困難もあるだろう。
販売量のコントロールも重要だ(ここがマスブランドとプレミアムブランドの大きな違いだ)。売れるから、お客様の要望が多いからといって量産してしまってはプレミアム性を育てることができないからだ。
慎重かつ大胆なブランド運営となることを期待しつつ、今後のマツダスピリットレーシングブランドに注目したいと思う。

