「年金」という名の割の悪い金融商品
それでも、毎年送られてくる「ねんきん特別便」を見ると、これまで納めた保険料の2倍程度の年金が将来、受け取れることになっている。これならそんなに悪くない話だと思うかもしれない。
だがここに、日本の社会保障制度の最大の秘密(というか詐術)がある。どんな資料を見ても、「社会保険料は労使折半」と書いてあるのに、あなたが払ったはずの会社負担分の保険料がねんきん定期便には記載されていないのだ。
本来は、「これまでの保険料納付額(累計額)」の欄にある「厚生年金保険料(被保険者負担額)」の金額を2倍にしないと正しい計算はできない。
20歳のときに収めた1万円が、45年後に1万円のまま戻ってくる…
だったらなぜそうしないかというと、サラリーマンが加入する厚生年金が、「20歳のときに納めた1万円の保険料が、45年後の65歳になって1万円のままで戻ってくるだけ」という、ものすごく割の悪い金融商品であることがバレてしまうからだ。
あなたが納めた会社負担分の厚生年金保険料は、基礎年金の赤字を補塡するために国に「没収」されてしまっているのだ。
*「ねんきん定期便」から事業者負担分を消してしまうという国家の詐術はSNSなどで批判され、厚労省は2025年4月から、「事業者も加入者と同額の保険料を負担している」旨を記載することになった。だが労使合計でいくらの保険料を支払ってきたかの金額表示はなされず、不都合な事実はいまも隠されたままだ。

