16年間で手取りは14万4000円減った

年収600万円のサラリーマンでは、2009年には収入に対して合計で25.094%の社会保険料を支払い、その金額は150万5640円、自己負担分はその半額の75万2820円だった。それが2025年には、社会保険料率は合計で29.9%、金額は179万4000円で、自己負担分は89万7000円になっている。

これをわかりやすくいうと、年収600万円のサラリーマンは、2009年には(ボーナスをならして)月額50万円の給与に対して、6万3000円ほどの社会保険料を引かれ、手取りは43万7000円ほどだった(ここからさらに所得税分が源泉徴収される)。

一方、2025年の年収600万円のサラリーマンは、月額50万円の給与から7万5000円ほどの社会保険料を引かれ、手取りはおよそ42万5000円だ。

すなわち、このあいだに毎月の手取りが約1万2000円(年間約14万4000円)も減っている。

あなたが給与明細を見て、「会社はベースアップしたというけれど、手取りは逆に減っているじゃないか」と疑問に思ったら、その理由は社会保険料率の引き上げにある。

「家計を圧迫するもの」の正体

2009年刊行の親本では、年収600万円に対して労使合計で150万円以上を年金・健康保険に支払うことを「サラリーマンは惜しみなく奪われる」と書いたが、いまやこの金額は180万円(月7万5000円×12カ月×2)にもなっているのだ。

昨今は選挙対策のために消費税減税や廃止をうたう政党がかまびすしい。しかし、ここには大きな錯誤がある。

年収600万円の人なら、手取り(約480万円)の8割を消費に回したとして、概算で年間約380万円の買い物をしていると考えられる。消費税が10%だとしたら、約38万円。ところが社会保険料は労使合計で180万円(個人だけなら90万円)も支払っているのだ。

単純計算で、消費税の4.7倍(ないし2.4倍)もの金額を支払っているのだ。どちらがより家計を圧迫しているかは言わずもがなだろう。