企業の人事担当の中でいま、アメリカ発の「スキルベース組織」というしくみが注目されている。人材マネジメントに詳しいグローネクサス代表の小出翔さんは「日本型雇用の行き詰まりにブレイクスルーを起こすと期待される『新しい組織OS』だが、企業の成長そのものにも寄与するところが大きい」という――。(第3回/全5回)
※本稿は、小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
スキルベース組織は企業に何をもたらすか
多くの日本企業が長年採用してきた人材マネジメント手法では、いまや「新しい現実」に対応できなくなっています。
メンバーシップ型では曖昧すぎ、ジョブ型では硬直的すぎる。このジレンマを乗り越えるための第3の道、それが「スキルベース組織(Skills-based Organization)」です。
この新しいアプローチは、【企業の成長】と【個人の成長】という2つの面で、「4つのインパクト」を人材マネジメントにもたらします。本稿では「企業の成長」にもたらす2つのインパクトについて見ていきます。
組織単位の企業運営は「もう限界」
さて、あなたの会社では、一度決めた組織構造や役割分担が、硬直化してしまっていないでしょうか。
「半期前に作成した職務記述書が、もはや現状と乖離してしまっている」
「新しいプロジェクトを立ち上げたいが、部署間の壁があって必要な人材を集められない」
「隣の部署が何をやっているのかわからず、非効率な重複作業が発生している」
これらは、変化の激しい時代において、従来の「職務(ジョブ)」や「部署」を単位とした組織運営が限界を迎えていることを示唆しています。


