組織の変化対応力とレジリエンスの獲得
変化が常態化するVUCAの時代において、企業が生き残るためには、予期せぬ変化や危機に対応できる「レジリエンス(回復力・しなやかさ)」が求められます。
スキルベース組織は、組織のレジリエンスを高めるうえでも大きな力を発揮します。
たとえば、新型コロナウイルス感染症のパンデミックのような危機が発生し、ある事業部門が縮小を余儀なくされた場合を考えてみましょう。そこで働く社員が持つスキルが可視化されていれば、そのスキルを必要としている他の成長分野へとスムーズに再配置することができます。
実際にある航空会社では、旅客需要が激減した際、客室乗務員が持つ高度な「接遇スキル」や「危機管理スキル」に着目し、自治体のコールセンター業務支援や企業向け研修講師といった新たな役割に配置転換することで、雇用を維持しつつ変化を乗り越えた事例があります。
「この職務がなくなったから、もう居場所がない」ではなく、「このスキルを活かせる新しい役割がある」という視点に立つことで、雇用の維持と、人的資本の有効活用を両立させることができます。
固定的な職務や部署に縛られるのではなく、スキルを軸として柔軟に役割を変化させていく。これこそが、変化の時代を生き抜くための、新しい組織のあり方です。
企業としての競争力を最大化する
スキルベース組織の最も大きなインパクトは、経営戦略と人材マネジメントを完全に連動させ、会社としての競争力を最大化することです。
「経営戦略を実現するために、どのような人材がどれだけ必要なのか?」
「現状、社内にはどのようなスキルがどれだけあり、何が不足しているのか?」
「そのギャップを埋めるために、どのような育成、採用、配置を行うべきか?」
これらの問いに、あなたはデータに基づいて的確に答えることができるでしょうか。
多くの企業では、経営戦略と人材マネジメントが分断されてしまっています。経営陣が掲げる戦略はあるものの、それを実行するために必要な人材の要件が明確でなく、現場では「勘と経験」に基づいた属人的な配置が行われているのが実情ではないでしょうか。
スキルベース組織は、この「勘と経験」による人材マネジメントから脱却し、データに基づいた「戦略的人的資源管理」を実現するための基盤となります。

