※本稿は、藤田田『起業家のモノサシ』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。
アメリカ人は、日本人より「お金にモテる」
「何か儲け話はありませんか」
目を血走らせている人をよく見かけるが、こんな人に限って、逃げる女に追いすがってピシャリと振られるモテない男のように、お金から嫌われるようだ。
遊び好きな男、あるいは遊びの上手な男のことをプレイボーイというが、プレイボーイは石部金吉さんよりよくモテる。レジャーをうまく楽しむアメリカ人が、勤勉な日本人よりお金によくモテるのも事実である。
カリフォルニアのニューポート・ビーチはすぐ目の前にリド島が眺められる風光明媚な土地だが、それよりも壮観なのは湾内につながれた何千という数にのぼる豪華なヨットである。
海岸には、ヨットの持ち主の家にふさわしい堂々たる邸宅が立ち並び、ヨットを見て家を眺めていると、日本人の金持ちなんかみんな貧乏人に見えてくる。
「儲け方を教えてくれ」と言う人にピシャリ
このニューポート・ビーチのレストランでアメリカ人と食事をしながら、私は思わずたずねた。
「あんな家に住み、あんなヨットに乗っている連中は、一体、どんな仕事をしてる連中かね」
彼はいたずらっぽく笑って教えてくれた。
「デン、仕事をしてるヤツはここにはいないんだぜ」
つまり、儲けるだけ儲けた連中が、あとは人生を楽しむだけだ、と考えてここに集まってくるというのだ。
日本人は貧しいから死ぬまで働くが、彼らは儲けたあとでは必ず楽しむ。その楽しみがあるからこそ、稼ぐときには徹底的に稼ぐのだ。
日本人には金儲けを目的だと心得ている人が多いが、これは間違っている。金儲けは、儲けたあとそれを使って何かをやるための手段にすぎない。
「金の儲け方を教えてくれ」と尋ねてくる人は多いが、私は必ず、「教えてあげてもいいが、儲かったあと、それを何に使うのですか」と聞く。そうすると、ほとんどの人が、けげんそうな顔をして、「儲けたことがないからわかりません」と答える。

