売れるお店は何が違うのか。日本マクドナルド創業者の藤田田さんは「自信に満ちた笑顔で接客する『スマイル』こそ、金儲けの原理原則だ。店員の笑顔は教育ではなく、自然に笑顔になれる仕組みを作るのが成功の秘訣だ」という――。

※本稿は、藤田田『起業家のモノサシ』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

生ぬるい「清潔さ」では我慢ができない

マクドナルドには「Q・S・C」という三本柱がある。

「Q」は“QUALITY”(クオリティ)、つまり品質である。いい品を売ることを私たちは「バリュー(価値)を売る」と言うが、その価値あるいい品こそ、誰にも誇れるクオリティがあるものなのだ。ハンバーガーも、まずクオリティに価値があることが要求される。

「S」は“SERVICE”(サービス)。これは文字通り、お客さまに気持のよいサービスを提供することである。そして、三本目の柱が「C」、つまり“CLEANLINESS”(クレンリネス)、清潔さなのである。

マクドナルドでは、とくに「清潔さ」に関しては万全を期している。食品衛生法では一定の基準があって、ごく微量の大腸菌は容認しているが、私は常に「ゼロ」を要求し、また事実、マクドナルドでは大腸菌ゼロを誇りにしている。

許容範囲内、などという生ぬるい「清潔さ」では我慢ができないのだ。

銀座のホステスがマクドナルドをほめたワケ

マクドナルドでは手の洗い方にもマニュアルがある。

洗面台でハンドソープをこする
写真=iStock.com/Nuttawan Jayawan
※写真はイメージです

手を洗う場合、水道の水だと10秒間洗わなければ、バイ菌がきれいに落ちない。しかも、バイ菌がもっとも多くつくのは、爪の間である。そこで、マクドナルドは従業員に爪の洗い方から手の洗い方、逆性石鹸の使い方まで教え、その通りに洗うようにきびしく要求している。

医師は手術前に手を消毒すると、決して手術器具以外はつかもうとしない。口に入れる物を販売する者は、この医師のやり方を見習うべきで、商品以外にはさわってはならない。

あるとき、銀座のクラブで飲んでいると、そこのホステスから、「マクドナルドは非常にいい」とほめられた。

私の家は大井町で、職業上、いつも帰宅は夜中だけど、何時に帰っても駅前のマクドナルドはあかあかと電気をつけて掃除をしているの。あれはとても気持がいいわ」と言うのである。

日本のレストランは、終業時間が来ると、さっさと店を閉めて帰ってしまうが、マクドナルドでは終業後に清掃マンが二人一組で出勤して、夜通し清掃をするのである。あかあかと電気をつけて清掃をするのは、決して演出ではないが、これを見た人は、必ずといっていいほどマクドナルドに信頼感を抱いてくれる。

この清掃もマクドナルド商法の一貫したシステムのひとつである。そして、マクドナルドはこうした強力なシステムに支えられているから成功しているともいえる。食べ物を扱う店は清潔にしなければならない。清潔であれば客は来るし、儲かるのだ。