“無限保証つき”のクレジット・カード
私は、舌打ちをしたが、イナカッペにしろ何にしろ、デパートが話がわからないとあっては仕方がない。やがて、マッソーバー氏は私のオフィスへ帰ってきたが、問題のクレジットカードを私に見せると、苦笑しながら説明してくれた。
マッソーバー氏の使っているクレジット会社のカードの左肩には小さな暗号が刻んである。
1、2、3……6、7、とあってその次にマッソーバー氏のカードには8の代りに8が横になった“無限大”=∞のシルシが入っているのだ。
これは、ほぼ全世界をカバーしているこの信用保証会社が、限られた何人かの超大金持ちに限って、無限大の保証をしているというシルシであるという。
つくづく日本は「貧しい」国である
「3とか4なんてヤツはごまんといるんだ。6や7だって結構いる。でもね、俺のは無限大だぜ。極端なことをいえば、俺が何十億円の買物をしたって、信用保証会社は保証してくれるのだ」
マッソーバー氏はそういったものだが、私はそのスケールの大きさに圧倒されてしまった。
おそらく、デパートの売り場で、マッソーバー氏は同じことを説明したと思われるが、マッソーバー氏にくらべたらスケールの小さい“小金持ち”しか扱ったことのないデパートでは、彼の話があまりにも大きすぎて、どうしても納得できなかったのだろう。
日本が「貧しい」国であることはこれを見てもよくわかる。


