いま、日本有数の宗教団体・創価学会に大きな変化が起きている。池田大作氏の死去や選挙惨敗、高齢化だけでは語れない“もう一つの問題”が、現場の学会員たちを揺らしているという。組織の内部で何が起きているのか。創価学会員に取材したライターの片山一樹さんがリポートする――。
座談会に集まるのは「高齢者ばかり」
中道改革連合と公明党の支持母体である創価学会が、いま揺れている。
カリスマ的指導者であった池田大作名誉会長が2023年に死去したことは、教団内に大きな影響を与えた。2026年2月に行われた衆議院議員総選挙で、中道改革連合が惨敗したことは記憶に新しい。
ただ、現役の創価学会員たちに取材をすると、彼らが日常の活動で真に頭を抱えている問題はカリスマの喪失ではないという。まず重要なのが、よくマスメディアでも指摘される「教団の少子高齢化」問題だ。
取材した首都圏在住の40代男性は、地域の現状についてこう嘆く。
「月に一度開かれる地域の座談会に参加しても、集まるのは60代から70代の高齢者ばかりです。かつては活気に満ちていた会場も、いまではすっかり落ち着いた雰囲気になってしまった。若い世代の姿はめっきり減ってしまい、将来どうなるのか不安を感じている会員は少なくありません」
もちろん、この少子高齢化はさまざまな問題の原因になっていることは間違いない。ただ、創価学会における少子高齢化の問題というのは、具体的にどのような形で表れているのだろうか。
よくマスメディアで報じられるのは公明党などに対する「政党支援力の低下」だが、取材のなかで少子高齢化の影響を強く感じたのは組織全体の「急激な方針転換」だ。創価学会は少子高齢化の影響で、いままでの組織の形を保てなくなってきている。
さらに、そうした状況のなかで、これまで創価学会の強さや勢いの源泉となってきたものが失われてきたのではないかと筆者は考えている。それは「“大勝利体験”の欠如」だ。
それではまず、近年の「急激な方針転換」から見ていこう。また、あらかじめ断っておくが、これから「年齢・性別」で紹介する人物はすべて筆者が取材した創価学会員だ。

