「聖教新聞の配達員制度」が維持できない
こうした方針転換は、男子部に限ったものではない。取材した現役信者たちによれば、創価学会における運営方針の大きな転換は、ここ5〜6年で組織全体にわたって急激に進んでいるという。
その代表例が、「無冠の友」の廃止と、「女性部」の誕生である。
「無冠の友」とは、聖教新聞を各家庭に配達する信者の配達員を指す名称だ。雨の日も嵐の日も雪の日も、早朝から配達を担う彼らは、教団内で非常に尊敬を集める存在だったという。
聖教新聞が発刊された初期から学会を支えてきた誇り高き制度だったが、2020年5月をもって長年続いた歴史に幕を下ろし、配達は読売新聞に委託されることとなった。
創価学会は配達方法の切り替えについて具体的な理由を明らかにしていないが、配達員を担える会員が減少していると考えてまず間違いないだろう。古くから都内で活動する60代の女性幹部によると、「無冠の友」が廃止される前の現場の状況はかなり過酷だったという。
「私の住む地域では、新しく配達員を引き受けてくれる人がまったくおらず、数少ない若手や元気な高齢者に負担が集中していました。毎朝の配達は想像以上に重労働で、現場は完全に疲弊していました。外部委託になったときは、寂しい気持ちもありましたが、ホッとした気持ちも正直あります」
長年、当たり前のように機能してきた配達員制度すら維持できない。それは、会員の高齢化と実働できる活動家の減少が、取り返しのつかないレベルまで進行していることを如実に示している。
強固なシステムを誇った日本最大の組織が、もはや現状の規模を維持できない過渡期に突入していると言わざるを得ない。
「婦人部」と「女子部」を統合せざる得ない状況
もうひとつの大きな変化が、2021年5月に発表された「女性部」の創設である。
かつて創価学会の女性組織は、既婚者および原則40代以上の女性が所属する「婦人部」と、30代以下の未婚女性が所属する「女子部」の2つに分かれていたという。しかし、これらが統合され、新たな女性組織として再編されたのだ。
取材した現役学会員が口を揃えて語ったのは、学会の選挙活動において、中核的な役割を担ってきたのは間違いなく「婦人部」だった、ということだ。「選挙といえば婦人部」と言われるほど、昼夜を問わず圧倒的な熱量で近隣を回り、票をまとめ上げる彼女たちの存在はこれまで多くのマスメディアに取り上げられてきた。
地域コミュニティをフル活用する集票力は、まさに組織のエンジンであったといえる。

