「最強の選挙部隊」は過去の話になりつつある

しかし、その「最強の選挙部隊」も時代と無縁ではいられない。「無冠の友」について取材に応じた50代の女性幹部は、現在の内情をこう明かす。

「女性部ができる以前は、結婚したら婦人部へ移行するという仕組みになっていたため、どうしても若い未婚の女子部が手薄になりがちでした。ここ10年くらいから、特に積極的に活動に参加する若い女性が減ってきています。さらに深刻なのは、全体の高齢化です。かつてのようにフットワーク軽く、アクティブに地域を回れる女性自体が少なくなっているのが実情です。あと20~30年もすれば女性中心で選挙運動をするのは難しくなるでしょう」

「組織票」の中核的存在だった「最強の婦人部」は、確実に過去の話になりつつある。世代交代が進まず、次代を担う若手が育たないという悩みは、決して男性組織だけの問題ではない。

男女を問わず、組織全体の活力が失われつつあるのだ。

広宣流布大誓堂 外観
広宣流布大誓堂 外観(写真=Sinhako/CC BY-SA 4.0/Wikimedia Commons

「組織拡大」を感じられる機会が減っている

これまで紹介してきた現役信者の証言を振り返れば、創価学会の組織力が低下していることは間違いないだろう。だがその一方で、組織内に流通している言葉はむしろ拡大路線を思わせるものが多いという。

たとえば、創価学会は毎年11月頃に翌年の活動指針となるテーマを発表している。ネットで検索してみるとすぐに見つかるが、2026年のテーマは「世界青年学会 躍動の年」だ。

取材した現役信者によると、「青年」「飛躍」「躍進」といった力強いワードが好んで使われる傾向にあるという。組織が右肩上がりで成長し、会員が増え続けていた時代には、信者たちもその言葉に心から共鳴し、熱狂することができた。

しかし、現場の学会員がその成長を肌で実感できる機会は、年々減少している。

初期の創価学会では毎月の折伏(布教)の成果を聖教新聞で大々的に発表し、公称信者数も定期的に公表していた。目標を達成する喜びが組織全体で共有されていたのだ。

だが、いつしか折伏成果は聖教新聞から姿を消し、公称信者数も2005年に発表された「827万世帯」を最後に更新されていない。