英語学習にChatGPTなどのAIが便利だ。ただし、日本人が苦手とする発音の矯正には、AIアプリより最適なツールがあるという。YouTubeで人気の英語発音コーチに聞いた――。

書き起こしアプリで自分の欠点を知る

チャットGPTを相手に、英会話の勉強をする人が増えています。英会話で一番の勉強になることといえば、やはり人との会話。その点、人と話す場面を疑似体験できるチャットGPTは、英会話学習にぴったりのツールといえるでしょう。

とはいえ私が長年取り組んでいる発音の学習に限って言うと、今のところチャットGPTはまだ補助的なツール。例えば自分の発音を聞いてもらって具体的にどの母音や子音、イントネーション、リズムがどう間違っていて、どう直すべきかを答える能力は、発展途上です。人間の発音コーチに比べると、力不足を感じることも多いです。

発音矯正について、AIが学習すべきデータが十分揃っていないせいかもしれません。近い将来、データが充実すれば話は別ですが、今のところ英語の発音についていえば、チャットGPTは補助的、簡易的ツールくらいに考えることをおすすめしています。

では今の時点で、英語の発音を練習するのに最適なツールは何でしょう。何より手軽にできる発音矯正ツールとして私がおすすめしているのは、グーグルドキュメントなどの音声入力機能です。

「音声入力」というのは、マイクで話した言葉をリアルタイムで文字に起こしてくれる機能で、これを利用して発音の簡易的な確認をすることができます。音声入力機能の言語を「英語」に設定してから、試しにlightとright、fastとfirstといった、似ている単語を発音してみてください。lightと言ったのにrightと書き起こされる、fastと言ったのにfirstと書き起こされる……そんなときはあなたの発音が、かなり正確性を欠いているということになります。

これは日本語でいえば、「赤」と言ったのに「朝」と書き起こされるくらい発音が間違っているということ。LとRなどを意識して、正しく書き起こされるまで何度も言い直してみると、自分の発音の欠点がよくわかるようになるはずです。

音声入力で認識されるかどうかを試す言葉としては、「ミニマルペア」と呼ばれる、ある1つの音素(音)だけが異なり、それによって意味が区別される単語のペアを使うのが効果的です。先ほども出てきたlightとrightのLとR、bestとvestのBとV、seatとsheetのSとSHなどが、その代表です。「EnglishClub.com」という英語学習サイトではミニマルペアを多く紹介しており、ペアを見つけるのに便利です。

AIの高度な音声認識で、発音した英語を正確に書き起こしてくれるツールとしては、グーグルドキュメントの音声入力機能のほかにも、「Aqua Voice」など有料、無料の書き起こしアプリが各種あります。そしてどれも音声認識の精度は日々上がっています。

ちなみに私の場合、最近は日本語も英語もキーボードでタイピングするより、音声認識アプリに話して文字にすることのほうが多くなりました。音声認識の精度が上がってミスが少ないので、キーボードでタイプするより速いからです。アプリごとに精度による差もあまりなくなってきているので、実際に試してみて、自分が使いやすいものを見つけるのがいいでしょう。

ところで英語学習の世界では、シャドーイングがよく推奨されています。ネイティブの英語を影のように追いかけ、数単語遅れて発声するという英語の音読練習法です。一方、私が以前から繰り返しているのが、コピーイングという音読練習法です。

(構成=福光 恵)