子どもに「クソババア」「あっち行って」などと反抗的な言葉をぶつけられるとイライラしたり、自分の育て方が悪かったのかと落ち込んだりする親は少なくない。精神科認定看護師のこど看さんは「むしろお子さんが順調に成長している証だ。おすすめの対処法があるのでぜひ知っておいてほしい」という――。

※本稿は、こど看『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

耳を覆う怒ったアジアの女の子
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子どもの「NO」は自立し始めた証

子どもが成長するにつれ、子どもとの距離感に悩まされる方は少なくありません。「あっち行って!」と突き放されたと思ったら、翌日にはケロッとした顔で甘えてくる。「これまでうまくかかわれてきた」と感じていた方も、戸惑ってしまうことがあるかもしれません。ですが、そんなときこそ思い出してほしいのです。

これまでのあなたのかかわり方や距離感は、決して間違っていなかったことを。

子どもが「NO」をはっきり言えるようになったということは、自分の意思を持ち、少しずつ親の保護的な距離から離れる準備が整ってきたということ。つまり、その子が自立へ向かって、確実に歩みを進めている証でもあるのです。

あなたがこれまで無条件に子どもを守り、時に口を出しながらも懸命に支えてきたからこそ、その子は安心して「離れては戻ってくる」という経験を始めることができたのです。「いつでも手を差し伸べられる距離」にいたあなたの存在が、その子の安心の土台となっていたことは間違いありません。

距離感を見直すべき時期が来ただけ

だからこそ、これまでのかかわり方や距離感を「近過ぎた」「甘やかし過ぎた」と嘆く必要はありません。むしろ、今は、その距離感を見直す時期がきた、というだけのことなのです。

子どもは今この瞬間も、大人の想像を遥かに超えるスピードで成長しています。思春期に入るとさらにそのスピードは速くなるので、その急激な成長を目の当たりにすると、「大丈夫かな」「ちゃんとやっていけるかな」と不安になるのも当然です。

なぜなら、これまでの子どもとの距離感が、とても保護的な距離感だったので、子どもが不安定ながら前に進もうとしている姿を見ると、つい後ろにピッタリと張り付いて、「大丈夫?」「ちゃんとやってる?」と声をかけたくなってしまうのです。これは責められるようなことではなく、子どもの不安定な前進を近くで見ているあなただからこそ、どうしても余計な干渉をしてしまうのです。