丁寧に仕事に取り組んでいるのに、なぜか同じミスを繰り返してしまう……そんな人は多いのではないか。ITコンサルタントの江村出氏は「再発防止のために確認の手順を増やしても、根本的な解決には程遠い。重要なのは、『人は必ずミスをする』という前提で仕組みを作ることだ」という――。

※本稿は、江村出『あなたの仕事は、ひそかに「減点」されている 成果を出す人が実はやっている「無自覚なミスをなくす」技術』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

ストレスを感じるビジネスウーマン
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ミスを減らすための手順がミスを招く

「この数字、間違っていますよね?」

会議の場で指摘を受けた瞬間、空気が一変します。これまで組み上げてきた論理が崩れ、頭の中が真っ白になる。その場を取り繕つくろう言葉も出ず、信頼が一気に崩れていくのが分かる。何とか謝罪して乗り切れても、「なぜ防げなかったのか」という悔いだけが残る――。

みなさんも大きなミスをしたとき、「次こそは同じことを繰り返すまい」と心に誓い、自分なりの手順を追加することで、再発防止に取り組んでいることでしょう。

しかし、その「手順の追加」によって、本当にミスを減らせているのでしょうか。悔しい思いをして真面目に改善に取り組んでも、またミスを繰り返しているとしたら、それは手順を増やしすぎたことで、かえってミスを招いているのかもしれません。

手順を増やせば、読む量が増え、確認項目も増える。その結果、判断が複雑になり、読み飛ばしや見落としが起きやすくなる。最初は丁寧に使っていたチェックリストも、次第に形骸化し、やがて使われなくなる。こうして、同じようなミスが再び繰り返される悪循環に陥ってしまうのです。