2026年8月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。PI部門の第1位は――。
▼第1位 軒先に「おうち」ができた…最速1時間、全額寄付で完成する「1棟50万円」の簡易住宅が熊本地震で大活躍のワケ
▼第2位 5年間誰も住まなかった→入居率100%に…築65年、ボロボロの元市営団地が年5000万円の家賃収入を生むワケ
▼第3位 従業員50人中49人が去った…浜松の老舗レストラン立て直した6代目が主力の「婚礼7割」を捨てて始めた"新事業"
真夏の被災地に現れた「インスタントハウス」
「え、涼しい……!」
インスタントハウスの扉のファスナーを開けてなかに入った女の子が、笑顔で驚いた。
8月9日、熊本県氷川町はギラギラと太陽が照り付ける真夏日で、日なたにいたら熱中症の危険性を感じる午後だった。
許可を得てなかに入れてもらうと、そこは別世界だった。エアコンがしっかり効いていて、外の熱気をまったく感じない。汗が急に冷えたせいか、少し肌寒いぐらいだ。
7月28日に起きた熊本地震で、氷川町は気象庁の震度階級のなかで最も大きい震度7を記録した。日本で震度7が観測されたのは、2024年1月の能登半島地震以来。町のなかには完全に崩れ落ちてしまった家がいくつもあり、想像もつかないような揺れに襲われたことがわかる。
8月4日にできたばかりのこのインスタントハウスには、今回の地震で家屋が倒壊してしまったAさんとその家族が続々と家財道具を運び込んでいた。プラスチックのパレットのうえに畳を置き、エアマットを敷いたベッドや座椅子、テレビなどの場所が定まると、そこはもう立派な部屋。広さは約20平米(約12畳)あり、3、4人で快適に避難生活を送れそうだ。
この部屋を見て、「お、ステキですね!」と声をかけたのは、北川啓介さん。インスタントハウスを開発した名古屋工業大学大学院の教授だ。東日本大震災の際、避難所で子どもに「なんで仮設住宅が建つまで何カ月もかかるの? 大学の先生なら来週建ててよ」と言われたのを機に、5年半かけて考案した。


