「技術は完成した。明日からでも走らせられる」
「時速500キロで浮上走行するリニア中央新幹線はもう実験の段階を終えて、営業運転に関わる技術は完成した。明日から走らせろと言われれば走らせられる」
JR東海は9月29日にメディアを招いたリニア試乗体験会で、こう胸を張った。これまで「山梨リニア実験線」としていた山梨県笛吹市から上野原市までの長さ42.8キロの路線名から「実験」を取り「山梨リニア線」に名称変更したことも報告した。
つまり、営業運転に関わる技術的な課題はすべて解決できたというのだ。
本当にすべての課題が解決できたのか。それを確かめるためにメディア向けの試乗会にプレジデントオンラインの編集者と一緒に参加した。
最大の売り「時速500キロ」の世界を体験
まず、超電導リニア技術と山梨リニア線について、古賀俊作・山梨リニアセンター所長の簡単な説明があったあと、2025年7月に投入された新しいL0系改良型試験車(M10)の先頭車両を見学した。そのあと、お待ちかねのリニア(M10)に試乗した。
筆者は2019年8月に山梨県立リニア見学センターで2013年から投入されたL0系車両が走行している様子を取材したが、リニアに試乗するのは今回が初めてである。
実験段階を終えたというのは、1997年から2026年8月までの30年間で、山梨リニア線の累積走行距離が561.7万キロ、試乗人数が35.3万人に上り、試乗後の乗客らの評判が非常によいというのが大きな理由らしい。
リニアの最大の売りは時速500キロの高速運転であり、品川―名古屋間を最速40分で結ぶとしている。鉄輪系の新幹線では、高速運転になると車輪が空転してしまうために、いまのところ時速500キロを出すことはできない。JR東日本の「はやぶさ」は大宮―仙台間を時速320キロで走行する。これが、日本での鉄輪系新幹線の最高速度となる。ちなみに、東海道新幹線の最高速度は時速285キロである。
リニアは、地上の指令室による自動運転システムでコントロールするため運転士は不要となり、安全性が確立されているという。
リニアには超電導磁石という特殊な磁石を使い、線路の代わりとなるガイドウェイ(軌道)の側壁に浮上・案内と推進の役割をする2種類のコイル(巻いた電線)をはめ込み、吸引、反発を繰り返しては、浮上、推進させる。
外部から給電不要の浮上・案内コイル、変電所から給電する推進コイルが時速500キロという高速走行を可能にしている。


