ビタミンDを多く含む食材
ビタミンDを多く含む食材の中でも、とくにおもしろい特徴をもつのが「干ししいたけ」です。
干ししいたけには、日光に当てることでビタミンDが増える性質があります。これは、しいたけに含まれるエルゴステロールという成分が、紫外線を浴びることでビタミンDに変換されるためです。
やり方は簡単です。市販の干ししいたけを、調理前に30分~1時間ほど日光に当てるだけ。ひだ側を上にして当てると、より効果的とされています。晴れた日の窓辺でも一定の効果が期待できます。
味噌汁の具として使えば、
・ビタミンD → カルシウムの吸収を高め、骨を守る
・食物繊維 → 腸内環境を整える
・うま味成分(グアニル酸)→ 減塩にも役立つ
と、一石三鳥のはたらきが期待できます。
防ぎたい「低栄養を招く行動」
「一人だと、ついお茶漬けと漬物だけで済ませてしまうんです」
これは、病院でもかなりよく耳にする言葉です。配偶者を亡くしたあとや、お子さんが独立されたあと、一人で食事をする日が続くと、どうしても食事が簡単なものになりやすくなります。
すると、食べる量だけでなく、食事の内容も偏りやすくなります。高齢になると食欲が落ちたり食事の支度が億劫になったりして、低栄養に傾きやすくなります。
実際、日本では高齢者の低栄養傾向は少なくありません。低栄養が続くと筋肉が減りやすくなり、体力や免疫力の低下を招き、フレイル(年齢とともに体や心の元気が弱ってきた状態)の進行にもつながります。
でも、ここで大切なのは、「きちんと料理をしなければいけない」と思い込まないことです。
必要なのは、「ちょい足し」の発想です。たとえば、目玉焼きをプラスする。それだけでも、タンパク質をしっかり増やすことができます。さらに納豆を1パックつければ、タンパク質の摂取をもうひと押しできます。
私が患者さんによくお伝えしている「30秒のちょい足し」をいくつかご紹介しましょう。
・レトルトの味噌汁に卵を1個加える → 手軽にタンパク質を補える
・納豆ご飯に小さな野菜を添える → タンパク質に加えて、野菜も少し補える
・パックご飯に魚の缶詰をのせる → タンパク質と、青魚ならEPAやDHAも一緒に補える
・トーストにチーズを1 枚のせる → タンパク質やカルシウムの補いになる
・お惣菜にゆで卵を1個足す → それだけで栄養の厚みが増す
コンビニやスーパーのお惣菜を使うことに、後ろめたさを感じる方もいます。でも、何も食べないより、出来合いのものでもきちんと食べるほうが、ずっと体の助けになります。
大切なのは、手づくりかどうかではなく、体に必要なものが入っているかどうかです。
「今日は、タンパク質を何か1つ足せたかな」――その一言を習慣にするだけで、食事は少しずつ変わっていきます。

