猛暑の時期、エアコンはどのように使うのが効率的なのか。東京電力エナジーパートナー社員で、家電・住宅設備に詳しい「家電王」こと中村剛さんは「設定温度や風量を抑えるなどの我慢の前に、エアコンの仕組みを知ることで、節約しつつ快適に過ごすことができる」という――。(第1回)

※原稿内の電気料金試算は31円/kWhで行っている(全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価)

エアコンのリモコンを操作する手
写真=iStock.com/years
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エアコンの設定温度は28℃にしなくていい

暑さをこらえた涙ぐましい努力も、実はたいした節電になっていないかもしれない。そればかりか、例年以上の猛暑が予想されている今夏、命に関わる可能性すらある。

風量や風向き、設定温度、除湿と冷房の使い分け、メンテナンス――。エアコンの使い方をめぐっては、真偽不明の情報が飛び交いがちだ。正しく、電気代もお得に賢く使うためにはどうすればいいのか。東京電力エナジーパートナーに在籍し、テレビ東京の「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で優勝した「家電王」の中村剛さんに、エアコンにまつわるよくある誤解や勘違いについて解説してもらった。

まず中村さんが指摘するのが「冷房28℃設定神話」の罠だ。2005年、環境省は温室効果ガス削減を目的とした「クールビズ」の一環で、「オフィスの室温は28℃に。軽装などの工夫で涼しく過ごそう」と呼びかけた。以降、「エアコンは28℃設定に」というイメージが定着してきた。ただ正直なところ、28℃設定の部屋、モワッとしないだろうか。特に日中、気温が高い時間帯は汗ばんでしまう時さえある。

これについて中村さんは「設定温度が28℃だからといって、室温が28℃になるとは限りません。国の指針は正しくは室温が28℃なのです」と指摘する。

「住宅環境によるんです。特に断熱性の低い住宅の場合、エアコンをつけていても室温にムラが出やすくなってしまいます。室温を28℃にするためには、設定温度は26℃にする必要がある場合も。『国が推奨しているから』と28℃設定に縛られるのではなく、自分が快適で、パフォーマンスを維持できる設定温度にしていくべきです」