「風量最大」で電気代は跳ね上がらない
比較的高い設定温度でも快適に過ごすためには、風量調節も重要だ。なかには節電のためエアコンは常に弱風にしているという人もいるだろう。しかし、中村さんによると、つけ始めは風量を最大にして、室温を一気に下げてから風量を調節した方が電気代はかからないのだという。
「風量最大」というと、電気代を無駄遣いしているような罪悪感を覚えるが、実はこれもよくある“誤解”。風量を強くすること自体、あまり電気代はかからない。これには、エアコンの仕組みが関係している。
「エアコンは、ヒートポンプと呼ばれる技術で冷暖房を行っています。冷房時は、室内の熱を冷媒が吸収し、室外機を通して屋外へ放出する仕組みです。エアコンは、室温と設定温度の差が大きい運転開始直後に最も電力を消費します。一方、風量を強くしても、ファンを回すモーターの消費電力は比較的小さいため、電気代への影響はそれほど大きくありません」
同じ理屈で、エアコンとサーキュレーターを併用することも効果的だという。「サーキュレーターを使うと電気代が余計にかかる」と思っている人もいるかもしれない。
しかしサーキュレーターは1日8時間程度回しっぱなしにしても、電気代は月に40円程度(※消費電力5Wで試算)しかかからない上、風が生まれるので体感温度も下がる。ちなみにエアコンの設定温度を1℃上げると年に940円の節約になるというデータもある。(経産省資源エネルギー庁)
また、冷気は下に溜まりやすいため「足元だけ寒い」といったことが起こりがちだが、空気が撹拌されることによって室温が一定に保たれ快適性を高めることもできる。エアコンの風向きを水平にし、少し離れた位置からサーキュレーターを当てるといいそうだ。
「冷房」か「除湿」か
サーキュレーターの代わりに扇風機ではダメなのか? 中村さんによると「扇風機は人にあてて涼むもの、サーキュレーターは空気を攪拌してムラをなくすものですが、最近は扇風機とサーキュレーターの垣根がなくなってきている」とのことで、最近購入した扇風機であれば代用も可能だという。
ただ、購入から10年以上経過した扇風機は、使い続けるとまれに発火する危険もあるため注意が必要だ。経済産業省は2009年から「長期使用製品安全表示制度」として、経年劣化による事故が多い製品に対して設計上の標準使用期間の明記を義務付けており、扇風機もこの対象となっている。標準使用期間を超えていて、「変な音が出る」「こげたような臭いがする」といった場合は早めに修理に出すか買い替えるのがベターだ。
また、エアコン使用時に迷いがちなのが「冷房」か「除湿」か。特に雨天のジメジメした時などは除湿を使った方が涼しくなるような気もするが……。実はこれもよくある勘違い。中村さんによると「室温が下がってもいいなら、冷房の方が手っ取り早く室温も湿度も下げられます」という。


