除湿で余計に電気代がかかる

「冷房で除湿ができるの?」と疑問に思いがちなところだが、理屈はこうだ。冷房運転では、空気中の水蒸気が冷やされて結露し、エアコン内に水滴がたまる。この水滴をドレンホースで屋外へ排出するため、空気中の相対湿度が下がる。

一方、除湿運転には「再熱除湿」と「弱冷房除湿」の2種類がある。弱冷房除湿は、その名の通り弱い冷房で、温度と湿度を下げていく。

より除湿効果が高いのは「再熱除湿」の方だが、これも冷房と同じ仕組みで空気中の湿度を下げたのち、温度を下げ過ぎないよう、室外機から外に出すはずだった熱を室内に戻し、部屋を暖める。このため、電気代が余分にかかってしまう。

「寒いのが苦手で、温度は下げず湿度だけ下げたいという人は、再熱除湿が良いと思います。ただ、私のように暑がりで、単に『今日はジメジメしていて暑い』という場合なら、冷房運転の方が電気代をかけずに湿度と温度を同時に下げられます」

電気代は、弱冷房除湿、冷房、再熱除湿の順に上がっていく。自宅のエアコンの除湿機能がどちらのタイプかわからない人は、一度取扱説明書を確認するといいだろう。ちなみに筆者宅の日立製のエアコンは「カラッと除湿」という名称になっており、これは再熱除湿方式を指すようだ。目的を意識しつつ、賢く使い分けていきたい。

見栄えを重視して数十万円の損に

「エアコンはとにかくこまめに消した方が節電につながる」――。これもよくある誤解のひとつだ。中村さんによると、外出する時間帯や外出時間によっても左右されるという。ダイキンの調査によると「日中は35分まで」「夜間は18分まで」の外出であれば、こまめに消すよりつけっぱなしの方が電気代が安くなる。

さらに、エアコン本体だけでなく、室外機にも“勘違い”が潜んでいる。昨今、生活感が出がちな室外機をおしゃれに隠せる室外機カバーが人気だ。風雨から室外機を守ることができて、一見エアコンによさそうに思うが、これも勘違い。中村さんは「室外機の全面を囲うようなものは使ってはダメ」と警鐘を鳴らす。

「東京電力の調査によると、室外機にカバーをかけた場合、冷暖房効果が約20%下がったというデータもあります。室外機はヒートポンプの要なので、風の循環を滞らせてはダメなんです。風通しが悪いとショートサーキットという現象が起き、一度排出した熱気が再び室外機に吸い込まれてしまい、エアコンの効きが悪くなるだけでなく、故障の原因になることもあります」

エアコンの室外機
写真=iStock.com/Klaas Jan Schraa
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ショートサーキットは、吹き出し口の前に自転車や家具、ブロック塀などが置かれている場合でも起こる。当然電気代もかさむ上、コンプレッサーや基板に負担がかかるため、最悪修理が必要になることも。修理や新品のエアコン購入となれば、数万~十数万円の負担増はくだらない。「エアコンは正常に動いているのに、涼しくならない」という場合は一度室外機を確認した方がよさそうだ。