新宿区百人町の昼過ぎ、歩道を埋め尽くす大量の語学留学生たちがセブン‐イレブンの前を素通りしていきます。昼休みの稼ぎどきにレジに配置された3人の店員は手持ちぶさたな様子です。

セブンの一人負けが起きているという記事が2025年2月のプレジデントオンラインでのBEST記事に入りました。コンビニ3社の中でセブン‐イレブンだけが23年9月頃から憑き物でもついたかのように売り上げの成長が止まりました。

実は客数ではコンビニ3社とも苦戦しています。インフレで生活防衛のためにコンビニを利用しない消費者が増えているのです。冒頭の語学留学生たちにとっても割高なコンビニ弁当はちょっと手を出しにくい様子です。

コンビニを回避する消費者が増え続けている。

しかしファミリーマートとローソンは逆境でも客単価を右肩上がりに増やしました。セブンだけが客単価が前年比100%のラインに貼り付いた形で上げることができず、結果として「一人負け」になったのです。

前回の記事で指摘したセブンの経営判断ミスとは、コンビニから消えた庶民を「うれしい値!」に代表されるコストカット商品で呼び戻そうとしたことです。しかし彼らは実質賃金が増えない限りはもう帰ってはきません。

その反対に、残された中流層以上の顧客に対してこれまで以上に「価値ある商品」を開発して提供しようとしたファミマとローソンが客単価だけは右肩上がりの業績をキープできたのです。

「なんだ同じことをしたのか?」

と思うかもしれませんが、同質化は業界トップ企業の戦略です。同じことを徹底すれば2位、3位企業よりも効果が出ます。

平均客単価「過去最高」本当の意味とは

その観点で最も話題を呼んだのは増量キャンペーンでした。セブンでは25年5月に「お値段そのまま!人気商品増量祭」でハムとたまごのサンドやミックスピザパンなどが増量されました。

コンビニ客数の減少はインフレが引き起こした現象です。わが国は長いデフレの時代が終わり、物価が毎月のように上がる時代に入りました。コンビニを回避する消費者が増え続けているのです。

(写真=iStock)

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