室内に侵入する熱の約7割は窓から入る
1万8997円。何を隠そう、昨年8月の筆者宅の電気代である。資源エネルギー庁によると、2025年の1世帯の電気代の平均額は1万3219円とのことなので、実に平均の約1.4倍の額を支払っていることになる。家族4人、中古の一軒家に暮らすわが家。夏休みとなると子どもの在宅機会が増えるため、エアコンはつけっぱなしになる。東京電力エナジーパートナーに在籍する「家電王」の中村剛さんに話を聞いた。
そもそも電気料金はなぜ上がっているのか。資源エネルギー庁の調査によると、家庭用電気料金の平均価格は、2010年度の21.39円/kWhに対し、2024年度は32.80円/kWhと実に約53%も上昇している。
国際情勢も不安定で化石燃料の価格は先が見通せない。円安も続いている。しばらくは電気料金の値上がりが避けられなさそうだ。まず目を向けたいのが、夏に使う機会が増えるエアコンや冷蔵庫だ。中村さんは、家電そのものの性能向上に目を向けるべきだと指摘する。
「エアコンも10年前と最新の省エネタイプを比較すると約13%省エネで、電気代は年3630円ほど安くなります。冷蔵庫なら10年前と比較して15~24%近く省エネとなり、年1490~2730円程度電気代が抑えられます(※1)」(中村さん、以下同)
※1 家電製品協会『スマートライフおすすめBOOK 2026』
つまり、今の省エネは「頑張る」ものではなく、「家電に頑張ってもらう」時代なのだ。ただ、どれほど高性能なエアコンでも本来の性能を発揮できないケースがある。その大きな原因が窓だ。
夏の冷房時、室内に侵入する熱の約7割は窓から入ってくる。これを防がない限り、エアコンは常にフルパワーで働き続けなければならない。
「既存の窓の内側にもう一枚窓をつける内窓であればローコスト、現在は補助金制度もあります。窓断熱リフォームは、その建物が立っている限り永続的に電気代を下げ続けてくれます」
この「熱」という視点から電気代を見直すと、多くの人が抱く「夏のエアコンこそ電気代の元凶」というイメージが覆される。
「夏の電気代が高いと、真っ先にエアコンを悪者にしがちですが、家庭のエネルギー消費において『冷房』が占める割合は、年間でわずか4.6%にすぎません。半分以上を占めているのは『暖房(24.9%)』と『給湯(27.0%)』です(※2)。つまり、直接『熱』に変える需要こそが、家計を圧迫している大きな要因のひとつなのです」
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