※本稿は、つみきち『知らない間に嫌われる言葉、話すたびに好かれる言葉』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
「よく喋るね」をスマートに言いかえ
楽しそうにたくさん話してくれる人に、「よく喋るね」と言ったことはありませんか? 悪気はゼロ。むしろ「楽しい」と思っている。でも、聞いた側は一瞬ドキッとすることがあります。「喋りすぎた?」「うるさかった?」と、急に不安がよぎるからです。
特に、過去に「うるさい」と言われた経験がある人にとっては、「よく喋るね」はその記憶を呼び起こすトリガー(引き金)になることも。褒めるつもりが、古い傷をつついてしまいかねません。
実際、「よく喋りますもんね」と言われた瞬間、「すいません、私ばっかり喋って……」と反射的に謝ってしまう人は少なくありません。場を盛り上げようとしてくれていた人に、頭を下げさせてしまう。褒めたはずのひと言が生むこのねじれに、気づいている人は案外少ないのです。
その点「話題が尽きなくて楽しい」は、矢印が自分に向いています。「あなたの話を私が楽しんでいる」。主語を“あなた”から“私”に変えると、相手は「喜ばれている」と安心できます。これをⅠメッセージと呼びます。
褒め言葉に迷ったら、「あなたは○○だ」ではなく「あなたのおかげで私が○○になった」という形にすると、うまくいきます。
「若いのに」は今や禁句。どう言いかえるか
後輩や年下の人がめざましい成果を出したとき、「若いのにすごいね」とつい言ってしまうことがあります。
純粋に感心しているし、称えたい気持ちから出てくる言葉でしょう。ところが、この言葉には落とし穴があります。「若いのに」は、「若い人は普通すごくないけど」という前提を含んでしまうのです。
それでは言われた側は「若くなければすごくないってこと⁉」と捉えてしまいかねません。しかも「若いのに」は、無意識に“上から見ている”ポジションを作ってしまいます。
「男だから」「女だから」が差別的だと多くの人が気づき始めている時代です。「若いのに」も、構造としてはそれに近いものがあります。年齢というフィルターを通している時点で、その人自身の努力ではなく、属性を見ていることになる。本人はただ、ありのままを見て認めてほしいだけなのです。
一方「素晴らしい成果だね」というフレーズでは、年齢については触れていません。純粋に“その成果”だけを見ているから、相手は「自分の努力が認められた」と感じることができます。
つまり、褒めたいときには属性(年齢・性別・立場)をきちんと外すこと。すると、言葉は何倍も強く届きます。



