「絶滅危惧種」と呼ばれた老舗の快進撃
あのドムドムハンバーガーが絶好調だ。
最盛期は400店舗以上を展開しながら、2010年代にはその10分の1以下に縮小。マスコットのゾウと絡めて「絶滅危惧種」とまで言われた。
一方で、昭和の風景として多くの人の心に懐かしく刻まれているブランドであり、今も29店舗と小規模ながら、「ドムぞうくん」等オリジナルグッズの展開で新たなファンを獲得し続けている。
運営するドムドムフードサービスは、2025年7月で既存店売上高が41カ月連続の増。10月にオープンした、初の海外店である台湾店も順調だ。
同社を黒字に導いただけでなく、数多あるハンバーガーチェーンの中でも特別な位置付けのブランドへと成長させたのが、2018年4月に就任した藤﨑忍代表取締役社長だ。専業主婦出身ながら、地方政治家の夫の闘病を支え、アパレルショップ店長を経験したのち、小料理屋を開業。
知人の紹介でドムドムハンバーガーに入社した後も、自分から申し出たことがきっかけで現職に就任したという、社長としてはかなり異色の経歴だ。
そしてこの度また、名古屋発のラーメン老舗チェーン、スガキヤの運営元など3社と共同出資で、親会社のレンブラント・インベストメントからドムドムフードサービスの株式を取得。新たな展開を迎えようとしている。
今回藤﨑氏に、ドムドムハンバーガーのここまでの成長を可能にした戦略について聞いた。
ドムドムを象徴する「丸ごと‼カニバーガー」
1970年に設立された日本で最初のハンバーガーチェーン、ドムドムハンバーガー(以下、ドムドム)。人気ナンバーワンのメニューは当時から今に至るまで、甘辛チキンバーガー(480円)だ。特製の甘辛いタレが染み込んだフライドチキンと、キャベツ、マヨネーズの組み合わせは王道。噛むと肉汁が溢れるチキンを、ふわふわのバンズが優しく受け止める。
しかし、藤﨑氏就任後の新しいドムドムを象徴するメニューを挙げるとするなら、「丸ごと‼カニバーガー」(1290円)である。
気が弱い人なら怖がるかもしれない、シュールに振り切った見た目。にもかかわらず、発売すると予想を大きく上回る反響で、3カ月の分を1カ月で売り切ってしまった。再販を望む声が高く、今も定期的に発売される期間限定商品となっている。定番はスイートチリ味だが、販売ごとに新味も登場している。



