「夢のマイホーム」を購入する際に、どんなことに気を付ければいいのか。税理士の森田貴子さんは「共働き家庭ならではの悩みとして、名義や持ち分の問題がある。安易に決めてしまうと余計な税金を払うことにつながるため、注意が必要だ」という――。(第1回)

※本稿は、森田貴子『世帯年収1000万円超の人が知っておきたいお金のルール』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

両手で家の形の紙を手に持つカップル、電卓、貯金箱、ノート
写真=iStock.com/KittisakJirasittichai
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「支払い額」と「持分」の割合は同じに

「家を買うとき、名義ってどうすればいいの?」

実はここを間違えると税金がかかることがあります。

共働きで不動産を購入するとき、「夫婦どちらの名義にするか」「共有なら割合はどうするか」で悩む人は少なくありません。ポイントは、実際の支払い額と所有権(持分)の割合を一致させること。そうしないと思わぬ税金(贈与税)が発生してしまう可能性があります。

たとえば、5000万円の物件を購入するとして、夫が3000万円、妻が2000万円を負担したなら、持分は「夫6:妻4」として登記するのが正解です。妻が支払い負担していないのに「夫5:妻5」としてしまうと、妻は夫から財産(不動産の一部)を無償でもらったとみなされ、贈与税の対象になります。

贈与税は親族を含む他人からタダで財産をもらった人にかかる税金ですが、もらった財産が年間110万円を超えると課税され、10〜55%の税率がかかることもあります。

「収入がない妻の名義を半分に入れたいんだけど?」

その場合は要注意です。妻(または夫)に収入や貯金がなく、親からの資金援助もないなら、無理に共有名義にするのは、むしろリスクになります。このケースでは、お金を出した側を100%の名義にするほうが安全です。

不動産購入は人生の大きな支出。名義や持分を「実際の支払い」と一致させるのが、もっともシンプルで安心なルールです。

夫婦でローンを組む場合も“考え方は同じ”

「ローンを一緒に組むなら、名義の割合はどうすればいいの?」

不動産を買うときに悩んだことがある人は多いのではないでしょうか。住宅ローンを夫婦で組むときも、年収や貯蓄の割合に応じて借入額を分担し、その割合に合わせて不動産の所有権割合を設定します。

たとえば夫の年収が600万円、妻が400万円なら、ローンの負担も「6:4」、所有権の持分も「6:4」にします。もし貯金を頭金に入れる場合は、「年収+貯金」で総負担額を考え、その比率で持分を決めます。

「借入額と持分が合っていないとどうなるの?」

その差が贈与と見なされます。実際のローン負担と所有権の割合をそろえることで、あとから「贈与扱い」されるリスクを防ぐことができます。大切なのは、出したお金と登記上の持分を一致させること。このルールを守るだけで安心して家を持つことができます。

ローンを組むときも「実際に出す金額」と「所有権割合」をそろえる。これがシンプルで確実な基本ルールです。