人からの頼みに振り回されないためにはどうすればいいか。心理カウンセラーの片田智也さんは「相手のムチャな要求に応じていたら、いずれあなたの心は潰れてしまう。大切なのは、主導権を持ち『何だったらできるのか』を臆せずに伝えることだ」という――。
※本稿は、片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
悪いことが起きると「自分が原因かも」と関連づけが起きやすい
上司が不機嫌なのは自分のせい?
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「自己関連づけ」をしていることに気づく
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「自己関連づけ」をしていることに気づく
上司や同僚の不機嫌な態度が気になることはないでしょうか?
どこかしかめっ面をしていたり、声が大きかったり口調が荒かったり……。
そんな時、心当たりがなくても「私のせいでは?」と自分の責任のように感じてしまうことはあるものです。
これは「自己関連づけ」という認知の歪みの1種です。
何か悪いことが起きた時、自分に非がないことでも「自分の責任」のように感じることがあります。
たとえば、「子どもの成績が下がったのは私のせい」と、自分を責める親は少なくありません。でも実際、成績が下がったのはその子自身の責任です。
そうわかっていても、なぜか自分が原因かのように感じてしまう……。
これが「自己関連づけ」の心理です。
まわりの機嫌の悪さが自分の責任のように感じるのも「自己関連づけ」の1つです。
ある会社員の女性がこう言っていました。
「上司がバタンと大きな音でドアを閉めるんです。それって私が何かしたからでしょうか……?」
客観的に考えれば「気にしすぎでは?」とわかります。でも、いざそう思ってしまうと、疑念を消すのは簡単ではありません。
自信を失っていたり、うまくいっていなかったり、どこか罪の意識があったり、そういう時は特に注意してください。
悪いことが起きると、人は、その理由や原因を探したくなります。
心が不安定な時ほど、「自分が原因かも?」と関連づけが起きやすいのです。そうやって何でもかんでも自分のせいにしていれば、心が疲れるのは当然でしょう。