威圧的な相手には、どう対応したらいいか。心理カウンセラーの片田智也さんは「怒りとは『恐怖が外に漏れてしまったもの』であり、短く言うと『恐怖のおもらし』である。もし誰かに怒りをぶつけられたら、『そんなに漏らして……怖かったんだな』と慈悲深い目で見てあげると受ける印象も軽くなるだろう」という――。

※本稿は、片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ショックを受ける女性
写真=iStock.com/SetsukoN
※写真はイメージです

怒っている人は、あなた以上に恐怖を感じている

怒りをぶつけられてびくびく

相手の本音を見抜ければ、柔らかく受け止められる

面と向かって怒鳴られたり、電話で怒りをぶつけられたり、仕事をしていると、感情的になっている人と話さなくてはならない場面もあります。

たとえ怒っていなくても、声が大きかったり、早口だったり、「そうでしょ?」と詰めてきたり、「言葉の圧が強い人」はいるものです。

それが理不尽な内容なら、より気持ちが萎縮してしまうでしょう。

大きな声で迫られて「怖い」と感じるのは健全な反応です。

「もっと強く、堂々と対応しないと」などと気を張る必要はありません。

大切なのは、怒りの裏にある本音を見抜くこと。

まず理解してもらいたいのは、「怒っている人は、あなた以上に恐怖を感じている」ということです。

そもそも怒りの感情はどういう時に湧いてくるのでしょうか?

端的に言えば、「他人や物事を思い通りにコントロールしたい時」です。

怒りの裏には「自分の思いが通らないことへの恐怖」があります。

ちょうど先日、役所の窓口で大声を出している人を見かけました。

「ルールで決まっているので……」と職員の方が丁寧に説明しています。

でも、その男性は「だからなんでダメなんだ!?」と納得できないご様子。

聞こえてきたのは、何かの申請が通るとか通らないとかといった話です。

「要望がはねつけられるのでは?」という恐怖があったのでしょう。

「どうにか相手の考えを変えてやりたい」と思った時、人は怒りをぶつけるのです。