仕事の不手際やミスから、相手と気まずくなったらどうすればいいか。心理カウンセラーの片田智也さんは「仕事上で生じる不手際やミスは、わざとそうしたわけではない以上、『絶対悪』ではなく『相対悪』だ。罪悪感や負い目は、頭の中で勝手に育ってしまうことがあるが、相手と距離を置かずにストレートに打ち明ければ、あなたの負い目が想像の産物にすぎないことがわかる」という――。

※本稿は、片田智也『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

上司と部下
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他人のミスに寛容になれると、自分のミスにも寛容になれる

ミスをしてしまった相手と気まずい

ミスは基本「相対悪」、気になる時は正直に話してみる

1年目の営業職の男性が、神妙な面持ちでこう打ち明けてきました。

「不手際をしてしまったのが気まずくて、相手をつい避けてしまうんです……」

何があったのか聞いたところ、「書類を郵送する際、書類を1枚入れ忘れた」のだと言います。

「え、そんなことで?」と一瞬、思いましたが、彼の中ではけっこうな重大事項なのでしょう。

書類は無事、後送できたようです。相手から何か言われたわけでもありません。

問題は、気まずさから相手を遠ざけてしまっていることです。

ちょっとした不手際があったり、ミスを指摘されたり、「相手の気分を損ねてしまったのでは?」と不安を覚えて、負い目を感じることはあるものです。

ポイントは、「なぜ負い目を感じてしまうのか?」です。

あなたは不手際やミスを「絶対悪」だと思っていないでしょうか?

絶対悪とは比べるまでもない悪、犯罪のような明らかな悪事のこと。

ですが、仕事上で生じる不手際やミスは基本、「相対悪」です。

わざとそうしたわけではない以上、「絶対悪」はまずありえません。

立場を入れ替えてみればわかるでしょう。

取引先から届いた郵送物に、あるべき書類が入っていなかった……。烈火のごとく怒ったり、正義の鉄槌を下したりするでしょうか?

きっと「まぁ、こういうこともあるよね」と取引先に送ってもらうよう連絡するはずです。

他人のミスに寛容になれると、自分のミスにも寛容になれます。

要するに、この程度のミスは「お互いさま」なのです。