職場の人間関係にイライラした時はどうすればいいか。心理カウンセラーの中島輝さんは「相手を変えるのは難しいので、自分の機嫌を自分で取るしかない。短時間で気分を切り替え、仕事のパフォーマンスを上げる方法を4つ紹介する」という――。
人生に悪影響を与える「嫌いな人」
どんなに仕事が順調で成果が出ていても、職場に嫌いな人がいるだけで、イライラが募ったり、テンションが下がったり。トイレでばったり会うだけでも、呼吸が浅くなり、1日不快な気分に覆われることもあります。
だからといって、異動願いや転職をしようと思うのは早計です。なぜなら、自分で結果をコントロールしきれないからです。
それではいったい、どうすれば職場にいる嫌いな人へのイライラを解決できるのでしょうか。
「人生がどうも楽しくない」「仕事のパフォーマンスが下がった」。じつはこれらの根底には、「職場に嫌いな人がいる」状況が関わっていることがよくあります。なぜなら、嫌いな人というのは、近くにいるとマイナス思考が働き、不快でネガティブな感情に覆われ、人生さえ引きずられる存在ともいえるからです。
他人ではなく自分の機嫌にフォーカスする
では、なんとかして「嫌いな相手を変えてやろう」と思っても、それは難しいでしょう。精神科医のアルフレッド・アドラーはこう言っています。「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」と。
アドラー心理学では「課題の分離」と言って、他者と自分の課題を分けることが大切だと説いています。他者が自分を認めるか否かは「他者の課題」で、自分にはどうすることもできません。だからこそ、「自分の課題」として自分のやるべきことにフォーカスをするのです。
つまり、他者へネガティブな感情を抱くよりも、客観的に「自分はあの人が嫌い」と認識し、その上で嫌な気分を解決するために、自分のメンタリティを「快」にもっていき、自分のご機嫌を自分で取りに行くことが大事です。そうして自己肯定感を高める方向に思いを巡らせることで、嫌いな人間への意識が薄れ、「放っておける状況」になります。