なぜ関西人はこんなに元気なのか。日本総合研究所 調査部長でチーフエコノミストの石川智久さんは「博報堂DYグループが実施した調査によると、幸福感、元気感ともに関西が関東を上回る結果となった。さらに詳細をみると、関西の方が関東以上に、単に本音で喋るだけではなく、それについて互いに共鳴して、そして行動までシェアすることが大事と感じている人が多いということが見えてきた」という――。
※本稿は、石川智久『大阪 人づくりの逆襲』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
関東人より、関西人のほうが幸福で元気
本稿では、関西と関東の違いを考える意味で、広告会社の博報堂DYグループが実施した調査結果をもとに考えてみたいと思います。
これは、幸福感や元気感の質について比較するために、2022年8月に関東と関西エリアの働いている人を対象にアンケートを取ったものです。
興味深いのは、幸福感、元気感ともに関西が関東を上回るということです。
具体的には「日ごろから、あなたは幸せに暮らしていると思いますか?」という質問に対して、関西は82.5%がその通りと答えた一方で、関東は76.0%であり、関西の方が関東に比べて6.5%高いということになりました。
また、「日ごろから、あなたは明るく元気に過ごしていると思いますか?」という質問に対して関西は77.6%、関東は71.2%になっており、こちらも関西のほうが関東に比べて6.4%高いという結果になっています。
詳細に見ると様々なことがわかります。まず性別で見ると、幸福感については、全般的に女性の方が男性よりも高い傾向がありますが、とりわけ関西の女性の幸福感が高いという結果が出ています。
また年齢別に見ると関西の20代、30代のほうが、幸福感が顕著に高くなっています。関西女性が元気で幸福と聞くと、「関西のおばちゃん」の元気なイメージという印象があるかもしれませんが、むしろ若い世代のほうが元気で幸福感が高いのです。