聞いてくれる人が好感を抱く話し方をするにはどんな注意を払えばいいのか。1000人以上の社長や企業経営者を指導したコミュニケーション戦略研究家の岡本純子さんは「写真を撮られるとき、人前に立ったとき、お辞儀をするときを含め、日本人は股間の前で手を組むことが多いが、大切な部分を隠す=自信がないというメッセージになる」という――。

※岡本純子『なぜか好かれる「人前での話し方」』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

舞台上でジェスチャーを交えて話す人
写真=iStock.com/Rawpixel
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ジェスチャーの驚異的メリットとは

こうしたスタイル(演台はなく、自由に動ける状態で話す「パフォーマー型」)で、とくにカギとなるのがジェスチャーです。

ジェスチャーには、次のような効用があります。

●脳の動きが活発になる
●声が出しやすくなる
●ジェスチャーが入ると、6割増しで伝わりやすくなる
●覚えられやすい

つまり、格段に話がわかりやすく、相手に伝わりやすくなるということ。

飽きやすい現代人の注意を引くために、ただ情報を伝えるだけの「伝達」スタイルから、体全体を使って演じ、聞き手の興味を引く「伝道」スタイルへの変革が、いま求められているのです。

ぎこちなく、まったくジェスチャーがない棒立ち状態では、見ている側がいたたまれなくなってしまいます。

学術研究によると、ジェスチャーには大きく分けると4つの種類があるそうです。

①形や大きさを示すもの
②否定や期間など抽象的な概念を表すもの
③指差し
④ジェスチャーそのものに意味はなく、言葉を強調するためのもの

「この言葉には必ずこのジェスチャー」などといった決まった作法があるわけではないのですが、基本の型を知ったうえで、自分が心地よいスタイルを見つけていきましょう。