ジェスチャーの決め手は「手」にあり

ジェスチャーなど、体をどう動かすのかについて、日本ではまだしっかりとした知見が広まっておらず、自己流でやっている人も多いようですが、自然で堂々としたふるまいの決め手は、じつは「手」。では、ここでボディランゲージの科学にもとづく「お手本スタイル」を紹介し、その「手の内」を明かしていきましょう。

たとえば、

①小さい
②大きい
③こちら
④あちら

など、ジェスチャーの主役は「手」です。

「手」は、サブリミナルにその動きだけで多くのメッセージを発信しています。

たとえば、

①指を差す
②手のひらを下にして差し出す
③手のひらを上にして差し出す

この3つのジェスチャーを見せられたとき、多くの人は③に一番安心感を覚えます。

①「指差し」スタイル
あなたを「射貫く」「追い詰める」というメッセージ

②「手のひらを下にして、押さえつける」スタイル
「私がこの場を収める」「私があなたを支配する」というメッセージ

③「手のひらを見せる」スタイル
「私は手に武器を持っていません」「あなたに心を開いています」というメッセージ

がそれぞれ込められているのです。

欧米で、会った瞬間に握手をするのは、手を開いて見せ、「私は安心できますよ」とアピールする意味があります。

また、人前で話すとき、聴衆に向かって、手のひらを見せて前に出し、「みなさん、こんにちは」などと話しかけると、いっきに「ラポール」(共感)の輪が広がりやすくなります。

ジェスチャーは無理やり入れるものではありません。

自然なジェスチャーの条件は、次の2つです。

①「伝えたい」という思いを高め、エネルギーを上げて話す
②伝えたい言葉の意味を理解し、ジェスチャーで表現しようとする

エネルギーや言霊ことだまが手に宿り、自然に動く状態が理想的です。