2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。ライフ部門の第2位は――。
▼第1位 首都圏の2倍の料金に目がテン…「青森移住10年」でわかった"日本一の短命県&生活費バカ高"のカラクリ
▼第2位 日本の「高断熱サッシ」は欧州では違法建築扱い…喘息とアレルギーを引き起こす「日本の住宅は高性能」の大ウソ
▼第3位 せっかくの新築住宅がゴキブリだらけに…プロ建築士が「絶対にやめるべき」という引っ越し方法
▼第4位 「赤い車」と「白い車」ではクラクション率が2倍以上違う…あおり運転から身を守る「科学的に正しい」方法
▼第5位 「開放感あふれるリビングのある家」は絶対に後悔する…建築士が断言する「おすすめできない間取り」のワケ
いい住宅で育つ子は頭がよくなる?
家の性能が、子どもの健康や頭の良さと関係があると言われても、ピンとこない方が多いと思います。でも実は、両者間には密接な関係があります。
健康面でいうと、家の性能を上げると、喘息やアレルギーの発症リスクが下がります。また、近年急増しているADHD(注意欠如・多動症)との関係も指摘されています。また、風邪をひきにくくなることもわかっています。
頭の良い子が育つという面では、家の性能と知的生産性との関係や、賢い子が育ちやすい空間づくりと家の性能とも関係があります。
筆者は、高性能な住まいづくりをサポートする会社を経営しており、高性能住宅を建てた大勢の方々の声を伺っています。本稿では、その専門家の立場から、家の性能と子どもの健康との関係や、賢い子が育ちやすい住環境について説明したいと思います。
高断熱住宅はアレルギー・喘息の発症リスクを下げる
まず、アレルギー・喘息等の発症リスクについてです。
近畿大学の岩前篤教授によると、家を新築した3万5000人を対象にしたアンケート調査で、高断熱住宅に暮らすとアレルギー・喘息の発症リスクが下がることが明らかにされています。
この調査では、新築した家の断熱性能を3つのグループに分けて、前の家で症状が出ていたが新しい住まいでその症状が出なくなった方の割合を「改善率」としています。
岩前教授の分析では、おおむね現在の省エネ基準レベルの断熱性能(グレード4)、つまり現在新築されている標準的な分譲住宅・注文住宅に住んでいるグループと比較して、高断熱住宅(グレード5)を建てたグループのほうが、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎といった症状が、明らかに改善率が高くなっています。