移住の成功・失敗を分けるものは何か。10年前に神奈川県から青森県へ移住し、現在、大学教員をする榮田いくこさんに現地に住んで驚いたことを挙げてもらった――。
青森へ移住して10年、成功だったのか失敗だったのか
筆者が首都圏から青森県に移住したのは10年前のこと。もともと青森県の生まれでしたが、転勤族だった父の都合と自分の進学、就職、結婚などで北日本から関東地方を転々とした後、体が弱ってきた親の住処に近いところで暮らすために西日本出身の夫とともに私が生まれた県に戻ってきた形です。
その後、親は他界しました。移住の決意は容易ではありませんでしたが、最期の時期に寄りそう機会を多くもてたので、よかったと思っています。後悔はありません。
「移住」は今、都市に住む人の重要関心事項のひとつです。内閣官房の調査(2020年、東京県在住者対象)によれば、全体の5割程度が地方移住に関心があると答えています。COVID-19感染拡大以降、リモートワークが普及したことも“移住願望”を後押ししているでしょう。
一方、移住してみたら想定と大きく違う現実に直面したという話もしばしば見聞きします。移住に伴って、仕事や子供の教育環境、人間関係も大きく変化します。移住するにはそれなりの覚悟と費用が必要です。せっかくなら成功させたい。そんな人たちの考え方のヒントとなるべく、「青森移住10年」で筆者が驚いたことをランキング形式で5つ紹介します。