生成AIの開発競争が激化し、高性能なサービスが次々と登場している。東京大学薬学部の池谷裕二教授は「私が毎日のように利用しているのはAI回答エンジンだ。従来型のインターネット検索では、表示されたホームページのリストから自分が求める情報を探さなくてはいけないが、回答エンジンならたった一回の検索で欲しい情報にたどり着くことができる」という――。
※本稿は、池谷裕二『生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる』(扶桑社)の一部を再編集したものです――。
仕事以外でも役立つ「回答エンジン」
「Perplexity」や「Genspark」や「Felo」を使っているでしょうか。
私は使わない日はないというほど、よく利用しています。これらは「回答エンジン」と呼ばれます。質問を投げかけると、生成AIがインターネット上のコンテンツを効率よく要約してくれます。便利で、仕事はもちろん、勉強や趣味にも大いに役立っています。
とくにGensparkは高性能なだけでなく、全サービスが無料で利用できます(いずれ有料化される可能性は十分にあります)。また、和製の回答エンジンであるFeloも高性能で、この2つが二大巨頭になるかと思います。
2024年10月末には、「ChatGPT search」という回答エンジンが実装されました。これに対抗するように、同日にはGoogleも「Grounding」という名称で、新たな回答エンジンを出してきて、熾烈な争いをしています。エンドユーザーである私は急に便利になって喜んでいます。
回答エンジンには、回答の正しさを確保するために、偽情報かどうかを確認しやすいように、根拠となる文献を提示してくれるという特徴があります。また、最近では、AI側でも自動でダブルチェックする機構を備えていることもあります。