企業のインターネット戦略は転換期にある

Googleが回答エンジンに参入したことは、ちょっとした事件です。なぜなら、企業側としては回答エンジンをブロックし続けるのは得策ではなくなるからです。

多くの企業はGoogle検索で上位表示されることを目指してSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策を行っています。しかし、もしGoogleの回答エンジンによる利用をブロックすれば、当然ながら、グーグル検索の結果にも表示されなくなるリスクがあります。

Search Labsの登場によって、企業はインターネット戦略を大きく変える必要性に迫られています。インターネット検索の上位表示ではなく、回答エンジンに効果的に要約されるように、自社コンテンツの作成を工夫する必要が出てくるかもしれません。

「どの生成AIを選ぶか」が求められる時代

生成AIは、開発企業のポリシーが反映され、それぞれに個性があり、特徴があります。「GPT-4o」、「GPT-o1」、「Gemini 1.5 Pro」、「Claude 3.5」、「Grok-2」などの優れた生成AIが並ぶ中で、自分が何を生成AIに求めるかが大きなカギとなります。

加えて、フランスの「Mistral AI」のように、コード生成に強みを持つAIもあります。また、Meta社が提供する「Llama」のように、研究者が独自のAIを開発するうえで転用しやすいものもあり、幅広い選択肢があります。

自分がどのような仕事をしているのか、どのような用途で生成AIを使いたいのか。場面に応じて、どのAIを使うべきかを判断することは、今後の我々が求められるスキルの1つになるでしょう。

どのAIがリアルタイムで性能が良いのか。それを比較するために、私の場合、1つの質問に対して、ChatGPT、Gemini、Claude、Metaが提供するLlamaの4つのモデルが同時に回答してくれる独自のシステムを開発し、研究室のメンバーに提供しています。私自身も日々利用しています。

AI アシスタント アプリ
写真=iStock.com/Kenneth Cheung
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