子どもは友達作りを通じて人間関係の築き方を学ぶ。だが今、他人と関わるのが苦手な子どもたちが増えているという。ノンフィクション作家・石井光太さんの新刊『「ことばで伝える」ができない子どもたち』(日本実業出版社)から、その現状を紹介しよう――。
背丈ほどのフェンスに手をかけ、フェンス越しに学校を眺める女子生徒
写真=iStock.com/Hakase_
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人づきあいを怖がる子どもたち

近年、小学校から高校に共通する問題の一つに、集団の中に身を置くことに不安を抱く子どもたちの増加があります。

「他人が怖い」「どう接していいかわからない」と言って教室に入ることを恐れたり、人とかかわることを避けたりするのです。

元来、人は集団を形成して生きていく存在です。他の動物と比べると、単独ではとても弱い存在です。だからこそ、不特定多数の人たちと手を取りあって社会を作り、身を守ったり、何かを開発したりすることで発展してきたのです。

いまも、社会はその系譜の上にあるので、成人になれば社会の一員として活動しなければなりません。学校で子どもたちが行なっているのは、そのための訓練です。

学校には、クラス、班、部活動、委員会などを軸としたさまざまなグループがあります。子どもたちはそれらに属しながら、〈ことばの力〉を磨き、他人と仲良くしたり、協力して何かを成し遂げたりする経験を積んでいくのです。

年齢相応の〈ことばの力〉を有する子は、他の人たちとの信頼関係を構築し、グループの中に自身の居場所を確保し、他人と手を取りあって課題に挑戦したり、困難を乗り越えたりしていけます。