創業者が拡大した規模 付加価値をつけて深化
ライフは、総合スーパーを除く食品スーパーとして売り上げ1位。2026年2月期の営業収益は8813億円、22期連続で増収となりました。
業界でトップに立ったのは1990年代です。それまでは30〜40店舗の中堅チェーンでしたが、創業者の清水信次がバブル崩壊で地価が下がったところに、8年間で132店舗という怒濤の出店攻勢をかけました。規模拡大はあのタイミングでしかできなかった、素晴らしい決断でした。
岩崎高治 Takaharu Iwasaki
1966年生まれ。89年に三菱商事に入社。99年にライフコーポレーションに入社、取締役に就任。2001年専務取締役を経て06年より現職。
ただ、その勢いのまま成長できるほど甘くありません。外部環境の変化とは別に、ライフは内部要因で2度ほど難しいタイミングがありました。それらを乗り越えて、第二創業、第三創業ともいえる変革を果たしたからこそ、今も成長を続けているのです。
第二創業が求められたのは00年代前半でした。清水に誘われ99年に入社して見えてきたのは、未改装の古い店や、システム投資・人材教育の遅れでした。急拡大が生んだ負の部分です。成長には面の拡大だけでなく質の充実が要ると考えました。
その第一歩が、04年に策定したライフ初の中期経営計画です。社長に就任した06年からは、強烈なトップダウンで声をあげにくかった現場を変えるべく、ボトムアップの風土づくりに力を入れました。それが奏功し、ライフは質を伴って再び成長軌道に乗りました。
次のターニングポイントは18年です。それまで右肩上がりだった売り上げ・利益が停滞してしまったのです。
要因の一つは、安易な価格競争でした。お客様が価格を基準に購入を決める商品は、徹底的に価格競争をしてもいい。しかし、そうではないものまで競争すると泥沼にはまります。
たとえば100円の商品を競合が99円で売ったので、対抗して98円にしたとします。仮に1円まで値下げしたとしたら、価格競争に決着はつくのでしょうか。答えはノー。次は「2個で1円」「うちは3個で1円」と際限なく続いていきます。スーパーはその争いに巻き込まれるべきではありません。
価格競争が良くないことはみんなわかっています。ただ、売り上げが少し悪くなると、つい安く売って量でカバーしようとしてしまう。そのブレが生じて社内でベクトルが合わなくなってきたため、とくに利益が停滞しました。
組織面でも課題が出ていました。権限委譲を進めるうちに、ふたたび本部主導が強まってしまった。育成の前にバトンを渡した私の責任です。
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