「ひとりぶんの生活費は、何とかなる」――その油断がピンチを招く。定年専門FPが、家計に潜む罠とその回避策を伝授する。
落とし穴③お金の受け取り方
× 退職金も年金も振り込まれるだけ
○ もらい方を選べば手取りが増える
× 退職金も年金も振り込まれるだけ
○ もらい方を選べば手取りが増える
税金に気を取られて社会保険料を忘れがち
退職金と年金は老後生活を支える大きな柱です。どちらも受け取り方によって手取りが変わることを知っておきましょう。たとえば、退職金は「一時金形式」で受け取るか、「年金形式」で受け取るかを自分で選択できますが、それぞれ税金のかかり方が異なります。
退職金を一時金形式で受け取った場合、「退職所得控除」が適用され、税負担が大きく軽減されるのがメリットです。退職一時金は受け取った年だけの「退職所得」として分離課税されるため、翌年以降の国民健康保険料や介護保険料の算定対象にはなりません。
一方の年金形式で受け取る場合、退職金制度を管理する金融機関が未支給分を一定の利回りで運用してくれることが多く、一般的には一時金と比べてもらえる総額(額面)が増えます。また、「公的年金等控除」という非課税枠を適用することもできます。ただし、年金収入は毎年「雑所得」として扱われ、他の所得と合わせて税金が計算されます。この雑所得が加わることで、所得税や住民税、国民健康保険料(加入している場合)、そして65歳以降の介護保険料が高くなる可能性があります。
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(構成=向山勇)


