細木数子ドラマに描かれなかった真相
Netflixのドラマ「地獄に墜ちるわよ」では後半部で細木数子と島倉千代子の関わりを描いているが、ほんとうに細木は島倉を飼い殺しにして、数億円というカネを騙し取ったのかと疑問を持つ視聴者が多いようだ。
同ドラマは私が2008年に出した『細木数子 魔女の履歴書』(講談社)に一部依拠し、そのことはドラマのタイトルに「参考文献」として掲げてあるのだが、細木の後継の占い師、細木かおり氏に対する遠慮もあるのか、細木の描き方は腰が退けているという声もある。
それで以下、真相はこうだということで、細木、島倉2人の関係を記してみよう。
まず第一に島倉千代子は非常に男に弱いというか、惚れやすい性格だった。島倉が巨額の借金を背負うことになった原因は、東京・五反田で「守屋眼科」を営んでいた眼科医・守屋義人に島倉が惚れ、いいなりになったことが背景にある。
債権者がコマ劇場に殺到
1961年、ファンの投げたテープが両目に当たり、島倉は失明寸前のダメージを受けた。このとき島倉は守屋に治療の相談をし、守屋のおかげで島倉は視力を回復できた。
以来、島倉は守屋を信用し、男としても惚れ、守屋の手形の裏書きまでする仲になった。当時、島倉は阪神タイガースの選手・藤本勝巳と結婚していたが、守屋を好きになった島倉は3年後、藤本と離婚する。
他方、守屋は非常に山っ気が多い男で、眼科医の傍ら芸能プロダクション「スマ・エンタプライズ」を創立し、島倉をコロムビアレコードから移籍させていた。
ところがこの守屋は乱脈経営がたたって倒産し、島倉に行方を明かさず蒸発してしまう。
そのため債権者たちは島倉に守屋の肩代わりを要求して新宿・コマ劇場に押し寄せた。
島倉はコマ劇場の楽屋から出ることもできず、彼女が以前から親しかった、一種のフィクサーである安部正明に電話して、助けを求めたのだ。
「取立の人が一杯来ている。楽屋から出られない」

