日本の企業は常に忙しく、休みを取りづらいと言う人が多い。外資系IT企業の米国本社にシニア・プロダクト・マネージャーとして勤務する福原たまねぎさんは「黙って素早く仕事をするというスタイルを卒業することが大事だ」という――。

※本稿は、福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

高層階のオフィスの窓から街を見下ろしながら会話しているグループ
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「あったらよいもの」は後回しに

ぼくは「アメリカに来てから仕事の量が少なくとも40〜50%は減った」と豪語してきた。この極意が「忘れる」だ。

アメリカに来てびっくりしたのは、本当に仕事をどんどん忘れていくという点だ。つまりP1(あったら良いもの)を積極的に後回しにしていくのだ。「なんとなく大事そうだけれど、実際には最初の段階ではいらないもの」。これらを「P1」として定義して、後回しにする。

こう説明すると当たり前のことのように感じられるかもしれない。普段から誰でもやっていることだろうと。しかし、これはいわゆる「優先順位づけ」とは決定的に異なる部分がある。どういうことだろうか。

タスクに優先順位を付けたら、通常ならばそれぞれに「いつまでにやる」という期限を設定するだろう。そして、優先順位の高い順にすべてのタスクを並べ、「いつ頃すべてのタスクが完了するか」の見通しを立てる。

優先順位をつけるのではなく捨てる

けれどP0/P1の考え方では、本当に大事なタスク、つまりP0だけをスケジュールに組み込む。P1はそもそもプランに入れない。P1は「余裕がありそうならやる」という位置づけにする。

福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)より
イラスト=瀬戸祥子
福原たまねぎ『世界の一流が休むためにやっていること』(朝日新聞出版)より

日本で10年以上働いていたときも「優先順位を付ける」ということはもちろんやっていた。そこで前提とされていたのは「優先順位に従って上からタスクをこなす」というやり方だ。でもP0とP1で果たそうとしていることは、似ているようでぜんぜん違う。「絶対必要なもの=P0」を決めて、「あるとうれしいもの=P1」をいったん、捨てる。一番大事なことにみんなでフルに集中して、あとはひとまず忘れる。

ぼくは当初、このアグレッシブなタスクの捨て方にぜんぜん慣れなかった。タスクは与えられたものをしっかり全部こなしてこそ一人前だという認識がぬぐえなかった。そんなに思い切ってP1を忘れてもいいのだろうか? それでいい、と思わされた出来事がある。