花巻東高校で高校通算140本塁打の日本記録を樹立し、米スタンフォード大に進学した佐々木麟太郎(21)の去就が話題となっている。NPBのソフトバンクからの指名を断り、MLB入りを決断したのだ。ライターの広尾晃さんは「日本の有望なアマチュア選手たちの本格的な人材流出のターニングポイントになるだろう」という――。
米大リーグ、マーリンズの入団記者会見に臨む佐々木麟太郎=2026(令和8)年7月23日、米マイアミ
写真提供=岩手日報/共同通信イメージズ
米大リーグ、マーリンズの入団記者会見に臨む佐々木麟太郎=2026(令和8)年7月23日、米マイアミ

日本での1億円よりメジャーの3500万円を選んだ

2026年のMLBアマチュアドラフトは7月11日(日本時間12日)から2日間行われ、注目の佐々木麟太郎(スタンフォード大)は8巡目、全体235位でナショナルリーグ東地区所属のマイアミ・マーリンズが指名した。

佐々木は、2025年のNPBドラフトでソフトバンクとDeNAの2球団から1位指名を受け、くじ引きの結果、ソフトバンクが交渉権を獲得していた。

NPBのドラフト選手の契約金の上限は1億円+出来高5000万円に対し、MLB8巡目の相場は3500万円ほど。金額面で大きな差があるが、佐々木はMLBを選んだ。日米の選手獲得市場を考えるとき、この選択は「分水嶺」になるのではないかと思う。

佐々木は、花巻東高校(岩手)・佐々木洋監督の長男。つまり大谷翔平(ドジャース)の恩師の子であり、中学時代は大谷の父・徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニアでプレーした。大谷と極めて深い縁がある。花巻東時代は通算140本塁打。2年春、3年夏の甲子園にも出場し、プロも注目するスラッガーへと成長したが、プロ志望届は出さず、スタンフォード大学を受験。世界でも屈指の超難関校に合格した。